桃李歌壇の連衆の皆様から寄せられた四季
折々の題詠に関連する画像などを掲載します
今月は、堀内洋助さん(渡良瀬有情)の撮られた渡良瀬川遊水池の葭焼(堤焼)の情景をお届けします。
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三月定例句会題詠より |
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なまなまと思ふことあり野焼かな | 素蘭 |
野焼かな炎時めき神がかり | 七梟 |
いく筋もたなびく里の野焼きかな | 重陽 |
野火はるか地虫は春をうかがえり | 顎オッサン |
遠眼鏡野火の外れの岬かな | やんま |
川霧を渡りて葭を焼き始む | 海斗 |
冒険は容れぬ土地柄野火けぶる | 明子 |
腕細き日曜農夫の野焼きかな | 冬月 |
野火に揺れつつ残像となりゆきぬ | 木菟 |
われの立つここは風上野火の去る | 悠久子 |
野火を背に漁夫王のごと網を打つ | 絵馬 |
虫は跳び鳥は啄ばむ野焼きかな | 雲外 |
芝を焼く香に誘われて午睡かな | 暁生 |
野を焼きて天の広さに鳥さわぐ | あずき |
野火を見て獣のやうな眼を持てり | 樂子 |
扇状地一族のやうに野火たちて | めだか |
今日はその洗濯日和か野火落とす | 旻士 |
野を焼いて胸の焔を治むかな | 晴雲 |
もう一度燃ゆる嬉しさ野火放たれ | とびお |
ライバルの葉書手中に野焼きの香 | しゅう |
上と同じく堀内さんの写真を使わせて戴きました。
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三月定例句会題詠より | |
鳥帰る空のゴンドラ熱気球 | 素蘭 |
熱気球眼下の山々笑ひをり | 葉子 |
春田打のどかに霞む熱気球 | 顎オッサン |
霞よりふいと出でくる熱気球 | やんま |
熱気球を空にコラージュ風光る | 明子 |
光る風土曜の空の熱気球 | 冬月 |
寄り添ひて動かずなりし熱気球 | 木菟 |
熱気球蟻の出づる穴に降り | 香世 |
熱気球八十日の春の旅 | 悠久子 |
鳥雲に入ればふうはり熱気球 | 絵馬 |
昔見たニルスの夢を熱気球 | 登美子 |
熱気球空飛ぶ不思議載せている | あずき |
春やいま天まで上れ熱気球 | 樂子 |
陽炎を独り占めしないで熱気球 | めだか |
RGB原野を渡る熱気球 | 頼髪 |
熱気球地平は左右へくるり捲き | 旻士 |
熱気球聞こえてますか風の詩 | 晴雲 |
武蔵野やセンチメンタルな熱気球 | しゅう |