蝋梅やひと日雲捲く奥白根

臘梅や命を何処から得しか

臘梅に小歌を聞かせ恙なし

臘梅を傘に見立てし小猫かな

臘梅のかたへのポーズ少年工

蝋梅や母の背を追う坂のうえ

臘梅や李白酔眼胡姫青眼

蝋梅やひとの時間に夕餉時

宝登山は今臘梅の樹海なす

蝋梅の空へ透れる心かな

蝋梅の香に総身を預けけり

臘梅や電話にお辞儀若先生

臘梅や枝に点々日のひかり

臘梅やかはたれどきの耳聡く

蝋梅や今瞬間を生きてをり

唐梅の荘厳世界起ちにけり

芳生

白馬

素蘭

海月

英治

東彦

童奈

康

雛菊

双六

柊

佳音

明子

硝子

文枝

丹仙

黄と紫これも梅なり唐わたり

蝋梅や上野におはす大和上

臘梅にとはずかたりの道すがら

胸中に臘梅一輪抹茶飲む

水色の空の臘梅昼の月

臘梅やひとり舞台にをるごとく

臘梅や八十路の父の字の歪み

蝋梅や偕に老いたる故郷の家

臘梅や点眼一滴零れ落つ

蝋梅の香りの中にお母さん

鉢植えの唐梅買わん今年こそ

臘梅の道を戻りぬ退職日

臘梅の雪をかむりて届きたる

蝋梅や笑ひの漏れる黒板塀

臘梅や夜のマネキン目を閉ぢず

深き夜や臘梅一枝雪被る

葉子

青榧

雪女

ぽぽな

鞠

好鵡

潮音

木菟

愛子

やんま

馬客

径

明子

素人

月雫

丹仙