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歌仙:紫陽花

1997/06/15-07/04

連番 投句 俳号
発句 紫陽花に紺そそぎゐる雨のすぢ りう
 空霽れゆけば虹の七色  東鶴
3 まゆずみを引く羅(うすもの)の襟は見え りう
4  絹の街道胡旋舞の姫  ひとし
5 馬鼓琴奏づる夜や月冴えて 東鶴
6  杯の縁飾る雪片 ひとし
7 曲水の復元なりし毛越寺
8  霞たつ瀬にほの見ゆる君  はる
9 萌え出づる春のさわらび歌枕 東鶴
10  芭蕉の旅を独り辿れば
11 舌先が背すぢの谿をわたりゆく りう
12  不羈奔放も初折れの裏   東鶴
13 撃鉄に指かけて聞くコンチェルト 洋一
14  月の輪熊の酔えるが如く  東鶴
15 秋風や白と名の付く酒旨し
16  爽やかなりき越後の山里 ひとし
17 分校の花見を兼ねてクラス会 
18  疎開の時もこの菜飯喰ふ  東鶴
19 春の宵箸厨芥にひかり居る  ゆう
20  路地の奥から三味の忍び音 
21 睫伏せ子猫の如く慕へるか  ひとし
22  飽きも飽かれもせぬに夜明く
23 長評定城を枕と由良の介 東鶴
24  煮詰まるを待つ藻塩焼くごと
25 潮汁たひらげ向かふ異国の地 ゆう
26  虎の尾踏みていさ尻鞘に ひとし
27 白萩の乱れし今宵晶子読む  東鶴
28  秋の出水の夢の浮橋
29 都市博や人なきビルの斜め月 ひとし
30  選挙の車黙して通過 ゆう
31 寄るならば与党の蔭が広からむ 
32  舌吐く犬の寝ころぶ大樹  東鶴
33 婿どのの水滸の夢や玉の輿  ひとし
34 青踏む女(をみな)ほの見ゆ籬 ゆう
35 社から寺へと飛花に追ひ越され 
挙句  光をふみて行く遍路道  りう