桃李歌壇

微積分連歌第3回興行
「その願ひ」

発句  し  滴りの命も透けるその願ひ    きこ
脇   ひ   日生れて夏の渓深くする    みお
第3  の  後の雛わらべ装束凛々しくて   ひとし
第4  は   離れし家ぞ独酌の秋      迷跡
第5  に  匂やかに湯の面の波紋月染めて  みお
第6  は   萩こぼれ咲く宵の清がしさ   きこ
第7  ゆ  ゆずり葉を父と飾りし歳の暮   ひとし
第8  み   民意正しく生かす初刷     若翁
第9  か  顔見せは鶴の見得きる五郎なり  粋人 
第10 つ   月も朧に泣くは白魚      ひとし
第11 き  君の名は知らず折り戸の別れ霜  木菟
第12 の   野守朝寝で職をしくじる    迷跡
第13 あ  新しき門出に冷酒頭付き     若翁
第14 さ   笹巻きもちていさ鬼退治    ひとし
第15 ら  楽隠居扇かざして武者人形    若翁
第16 け   今朝の腹立ち直る見事さ    粋人
第17 し  鵄尾の端に花の重なりまた散りて 迷跡
挙句      宴終へたる春の高殿      きこ
折句  椎の葉に映ゆ三日月の鮮らけし