私の小さな部分が手のひらから外に向かって膨張する それは私の一部を取り込み 存在としてこの世のものの一部を担う もう一つの私の内側 まるくあかい風船よ ほら おまえはこうして諸々の手の中から現れ 放たれた外の世界の重力と風力に翻弄されつつ やわらかく空と目の高さの間を行き来して 空間の特別な位置を示してゆく 吹き込まれた温もりが 次第に冷ややかになろうとも ついにこの手のひらに戻ることがなかろうとも 一瞬だけおまえはそのままのかたちで空に静止する 私のもっとも軽やかな内なる想いを ほんの少しの高みのところに示しながら |