桃李談話室
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桃李1月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2025/01/13(Mon) 17:59 No.2483   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 読初
兼題U 冬薔薇
兼題V 小正月

1月15日(水)投句開始
1月22日(水)投句締切 翌日選句開始
1月29日(水)選句締切 
1月30日(木)披講   

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謹賀新年 令和七年元旦 投稿者:丹仙 投稿日:2025/01/01(Wed) 07:34 No.2482   HomePage

   皆様のご健康、ご多幸を祈ります

ほむべきかな、日は美しく眩しきまでに照り渡る
かれこそは主の御姿、ああ高きにいます主よ
           ―アッシジの聖フランシスコ

 今年は「詩編に聴くー聖書と典礼の研究」という
連続講義を聖グレゴリオの家(宗教音楽研究所)で一年間行う予定です。たとえばヘブライ詩編148に連関して、フランシスコの「太陽の歌」を聴きます。
 それと並行して、12月のクリスマスから桃李歌壇の旧作品投稿室に、キリスト教と日本文化の創造的な邂逅をめざして、「福音歳時記」を連載することにしました。コメントなどお聞かせいただければ幸甚です。

                  丹仙(田中 裕)



桃李12月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/12/14(Sat) 10:50 No.2478   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 冬日
兼題U 聖夜
兼題V 平和賞(不言題)

12月15日(日)投句開始
12月22日(日)投句締切 翌日選句開始
12月29日(日)選句締切 
12月30日(月)披講   

今月の不言題は「平和賞」という言葉を使わずに(ノーベル)平和賞を詠んで下さい

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選句をお願いします 丹仙 - 2024/12/23(Mon) 06:57 No.2480   HomePage

投句一覧

投句者:白馬、素蘭、寿美子、素人、春愁、風子、実生、しゐ、秋童子、丹仙、翔河川、ヨアヒム、明子、ぽぽな

[1]:いくつもの夜をたくわえ冬日差す
いくつものよるをたくわえふゆひさす(冬日・冬日)

[2]:祈るために手のひらはあり冬の月
いのるためにてのひらはありふゆのつき(平和賞(不言題)・)

[3]:遅すぎた春ではあれど被団協
おそすぎたはるではあれどひだんきょう(平和賞(不言題)・春)

[4]:穏やかな冬日や父母の忌に集ふ
おだやかなふゆびやふぼのきにつどう(冬日・冬日)

[5]:介護士へ微笑み返す聖夜かな
かいごしへほほえみかえすせいやかな(聖夜・聖夜)

[6]:カタログに黒丸つける孫のイブ
かたろぐにくろまるつけるまごのいぶ(聖夜・[サンタへの祈り])

[7]:悲しみに喜びを重ねトーチ過ぐ
かなしみによろこびをかさねとーちすぐ(平和賞(不言題)・なし[オスロのトーチパレード])

[8]:寒月や金平糖の角の数
かんげつやこんぺいとうのつののかず(平和賞(不言題)・寒月)

[9]:杵を持つ孫の手震え冬日さす
きねをもつまごのてふるえふゆびさす(冬日・[餅つき])

[10]:胸中の奥へ冬日の届かざる
きょうちゅうのおくへふゆびのとどかざる(冬日・冬)

[11]:午後三時気配の変わる冬日かな
ごごさんじけはいのかわるふゆびかな(冬日・冬日)

[12]:寒空のトーチパレードオスロ燃ゆ
さむぞらのとーちぱれーどおすろもゆ(平和賞(不言題)・寒空)

[13]:終日をテニスコートで冬日向
しゅうじつをテニスコートでふゆひなた(冬日・冬日向)

[14]:聖樹の灯ティファニーブルーの小筐解く
せいじゅのひティファニーブルーのこばことく(聖夜・聖樹の灯)

[15]:聖夜とて街はひっそり寝静まる
せいやとてまちはひっそりねしずまる(聖夜・聖夜)

[16]:鶴群れて核無き宙へ飛び立てり
つるむれてかくなきそらへとびたてり(平和賞(不言題)・紙の鶴)

[17]:てくてくと聖夜の灯り月ひとつ
てくてくとせいやのあかりつきひとつ(聖夜・)

[18]:手作りが織り成す妻の聖夜かな
てづくりがおりなすつまのせいやかな(聖夜・聖夜)

[19]:天中にオセロの月の冴えわたる
てんちゅうにオセロのつきのさえわたる(平和賞(不言題)・冴ゆ)

[20]:螺子巻けば回る聖夜のオルゴール
ねじまけばまわるせいやのおるごーる(聖夜・)

[21]:反核の願ひ輝け寒北斗
はんかくのねがいかがやけかんほくと(平和賞(不言題)・寒北斗[オスロー])

[22]:人々の祈りの重く聖夜更く
ひとびとのいのりのおもくせいやふく(聖夜・聖夜)

[23]:被爆者とボタンを押した人の差は
ひばくしゃとぼたんをおしたひとのさは(平和賞(不言題)・)

[24]:冬の日に影引きそいて踊り場に
ふゆのひにかげひきそいておどりばに(冬日・)

[25]:冬の日の子の影長く母を待つ
ふゆのひのこのかげながくははをまつ(冬日・)

[26]:冬の日や電話もならず人も来ず
ふゆのひやでんわもならずひともこず(冬日・冬の日)

[27]:冬の日を余すことなく浴びて鳥
ふゆのひをあますことなくあびてとり(冬日・)

[28]:冬日燦不定愁訴かロダン像
ふゆひさんふていしゅうそかロダンぞう(冬日・冬日燦)

[29]:冬日向籠となる竹削りをり
ふゆひなたかごとなるたけけずりおり(冬日・冬日向)

[30]:冬日受け庭の体操ひとりきり
ふゆびうけにわのたいそうひとりきり(冬日・)

[31]:冬日さす黒板消しの過去の色
ふゆびさすこくばんけしのかこのいろ(冬日・)

[32]:冬日さす天主堂より今日の鐘
ふゆびさすてんしゅどうよりきょうのかね(平和賞(不言題)・冬日)

[33]:平和の声届かぬ民や冬ざるる
へいわのこえとどかぬたみやふゆざるる(平和賞(不言題)・冬ざるる)

[34]:星の子の名前は星聖夜劇
ほしのこのなまえはひかりせいやげき(聖夜・聖夜劇)

[35]:ボンド様冬を味方に停戦を
ぼんどさまふゆをみかたにていせんを(平和賞(不言題)・冬[虚しい])

[36]:御心のままに迎へる聖夜かな
みこころのままにむかへるせいやかな(聖夜・聖夜)

[37]:道長とまひろの月も聖夜かな
みちながとまひろのつきもせいやかな(聖夜・冬)

[38]:若き等に託す願ひや冬の星
わかきらにたくすねがいやふゆのほし(平和賞(不言題)・冬の星)

[39]:我が為に贖ふ詩集聖夜かな
わがためにあがなうししゅうせいやかな(聖夜・聖夜)

[40]:アッシジの山に賛歌の冬日影
アッシジのやまにさんかのふゆひかげ(冬日・)

[41]:ムスリムの母子と祝う聖夜かな
ムスリムのははこといわうせいやかな(聖夜・)

[42]:医者いらずあれこれいはず冬日向
医者いらずあれこれ言わず冬日向(冬日・冬日向)



選句一覧 丹仙 - 2024/12/30(Mon) 07:08 No.2481   HomePage

春愁

天の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
"の"の連なりが、却って長きを"待つ"感覚に・・・

地の句:[29]冬日向籠となる竹削りをり
冬日のなか、ゆったりと時が流れる

人の句:[37]道長とまひろの月も聖夜かな
タイムリー

素人

天の句:[33]平和の声届かぬ民や冬ざるる
いつ戦争は終わるのだろう

地の句:[4]穏やかな冬日や父母の忌に集ふ
遺影の笑みに少し癒され

人の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
鍵を忘れて家に入れず

寿美子

天の句:[2]祈るために手のひらはあり冬の月
お互いを思いやる祈りでありますように

地の句:[39]我が為に贖ふ詩集聖夜かな
そんな聖夜の喜びも hozannna 

人の句:[42]医者いらずあれこれいはず冬日向
そのうえお喋りできる仲間があれば長生きできますね

しゐ

天の句:[12]寒空のトーチパレードオスロ燃ゆ
トーチの炎の色と白い息、人々の表情がとても印象的な夜でした。

地の句:[27]冬の日を余すことなく浴びて鳥
冬の日差しが、小さな鳥の一点に集まっているように感じられます。

人の句:[9]杵を持つ孫の手震え冬日さす
小さなお孫さんが全身で杵を持ち上げる姿がリアルに目に浮かびます。餅つきができる家で育まれるものの豊さが想像されて、幸せな気持ちになりました。

実生

天の句:[10]胸中の奥へ冬日の届かざる
何があったの。?

地の句:[3]遅すぎた春ではあれど被団協
重いお話だった。

人の句:[37]道長とまひろの月も聖夜かな
セリフ、背景、色々と深い思いが表現されていて。

白馬

天の句:[16]鶴群れて核無き宙へ飛び立てり
何国でしょうか? 皆の願い。

地の句:[5]介護士へ微笑み返す聖夜かな
患者さんの笑顔が嬉しい。

人の句:[28]冬日燦不定愁訴かロダン像
ロダンは愁い顔----。

ぽぽな

天の句:[5]介護士へ微笑み返す聖夜かな
介護士の微笑みに、微笑みで答えているのですね。
感謝に満ちた関係が見えてきます。日頃からする行為かもしれませんが、聖夜の微笑みは、個人の行為を超えた、普遍の力、慈愛そのものとなります。

地の句:[29]冬日向籠となる竹削りをり
竹の含水量が低くなる冬は工芸に最適ということです。職人の集中力がみなぎる静かな時間が素敵です。

人の句:[38]若き等に託す願ひや冬の星
語り継ぐべきことは語り継がれてゆくと思います。冬の星に希望を見ました。

翔河川

天の句:[29]冬日向籠となる竹削りをり
縁側でしょうか

地の句:[27]冬の日を余すことなく浴びて鳥
ふくれどりか

人の句:[17]てくてくと聖夜の灯り月ひとつ
寒い夜道で

秋童子

天の句:[10]胸中の奥へ冬日の届かざる
冬の日差しでは、この塞ぐ思いはなかなか晴れません。

地の句:[22]人々の祈りの重く聖夜更く
国内外では不条理なことがたくさん起きているのに、何もできない無力感。人々はただ祈るのみです。

人の句:[38]若き等に託す願ひや冬の星
受賞演説は核兵器廃絶の取り組みを、世界の若者たちに託す願いも込められていました。

ヨアヒム

天の句:[15]聖夜とて街はひっそり寝静まる
 ドイツの小さな街で3年間暮らした当時の情景を想い出します。

地の句:[5]介護士へ微笑み返す聖夜かな
 仕事とはいえ、アタマが下がります。

人の句:[11]午後三時気配の変わる冬日かな
 暖冬とはいえ、詠まれた通り、空気感が変わりますネ。

素蘭

天の句:[40]アッシジの山に賛歌の冬日影
1997年の地震で大きな被害を受けたアッシジのサン・フランチェスコ聖堂
細心の修復作業を経て2000年に世界遺産登録
冬日を浴び鳥は囀る
大地の讃歌

地の句:[12]寒空のトーチパレードオスロ燃ゆ
象徴的な光景でした。

人の句:[14]聖樹の灯ティファニーブルーの小筐解く
ブルーもレッドもホワイトも…掌サイズのトキメキ♪

明子

天の句:[1]いくつもの夜をたくわえ冬日差す
夜をたくわえる、という発想に惹かれました。確かに冬という
季節は夜の存在感が強い気がします。

地の句:[8]寒月や金平糖の角の数
金平糖の角は核廃絶を願う人達の象徴でしょうか。

人の句:[41]ムスリムの母子と祝う聖夜かな
人種も立場もすべて乗り越えて、心から祈る聖夜であってほしいと
願います。

風子

天の句:[18]手作りが織り成す妻の聖夜かな
家族のために三日三晩の準備をして聖夜を迎える妻に感謝の念。口にはださねど無口な夫は心から感謝している。

地の句:[21]反核の願ひ輝け寒北斗
反核の情熱が消えかかる頃、息を吹き返したような輝きを放つ寒北斗。まさに。

人の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
寒々とした光景。母のいない家は灯火のない暗闇。鍵っ子は今もどこかに。

丹仙

天の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
情景が目に見えるように浮かぶ文句なしの秀句です。

地の句:[8]寒月や金平糖の角の数
金平糖の角の数は、36という不思議な数であるとか。寒月からの飛躍が面白い。もっともなぜ平和賞の不言題となるのかよくはわからないのですが、イグ・ノーベル平和賞を差し上げたい。

人の句:[2]祈るために手のひらはあり冬の月
第九交響曲の最後の合唱が聴こえてきました。高き天空のかなたにいます父に祈るために、この手のひらが造られたのかもしれません。




ご挨拶とお知らせ 投稿者:ぽぽな 投稿日:2024/12/04(Wed) 00:45 No.2476  
丹仙さん、長年の常連の皆様、大変ご無沙汰しております。初対面のみなさま、はじめまして。わたくしは俳人の、月野ぽぽな、と申します。2002年にふと訪ねた桃季句会にて詩歌に魅せらせ、俳人になりました。久しぶりに今月、とても楽しく、句会に参加させていただきました。

さて、わたくしごとで恐縮ですが、この度、初の句集『人のかたち』(左右社)を刊行いたしました。初学の頃に多くを学ばせていたいた、丹仙さん、そして桃李歌壇に集う皆さまにお知らせいたしたくメッセージいたしました。以下に情報をリンクいたしますので、よろしかったらどうぞお手に取っていただきたく存じます。

左右社
https://sayusha.com/books/-/isbn9784865284188
アマゾン
https://www.amazon.co.jp/dp/4865284184


また、寄せていただきたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。



Re: ご挨拶とお知らせ 丹仙 - 2024/12/14(Sat) 10:47 No.2477   HomePage

ぽぽな様
お久しぶりです。初句集『人の形』の刊行、心よりお慶び申し上げます。

初冬やヘブライ文字は火のかたち    ぽぽな
  凍つる大地に「太陽の歌」      丹仙

私の脇句は、アッシジのフランシスという「人の形」を詠んでみました。

最近書いた私の論考「詩編に聴くー聖書と典礼の研究
」(来年3月刊行予定)の一節を以下に引用します。

 ヘブライ詩編148の賛歌を背景として、アッシジのフランシスは眼病と病苦のさなか、死の直前に、つぎのような賛歌を詠みました。(「太陽の歌」と呼ばれています)。

 ほむべきかな、主よ、主のつくりませる物みなと、
 ことに昼を与へわれらを照り輝かす兄弟(はらから)、
 太陽と日は美しく眩しきまでに照り渡る、
 かれこそは主の御姿、ああ高きにいます主よ

 ほむべきかな、わが主よ、兄弟(はらから)火は
 夜のくらきを照らし
 美(うる)はし、楽し、毅(たけ)く、剛(つよ)し。




Re: ご挨拶とお知らせ ぽぽな - 2024/12/22(Sun) 23:23 No.2479  

丹仙さま

お返事をありがとうございました。
そして、「初冬や」に含蓄のある素晴らしい脇を頂戴いたしまして誠にありがとうございます。

ちょうど昨日は冬至、一年の中で生きとし生けるものが一番太陽を恋慕う日でしたので、「太陽の歌」からのご引用は心に沁みます。

来年の書籍のご刊行も楽しみです。

どうぞ楽しいクリスマスを、そして良いお年をお迎えください。



桃李11月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/11/14(Thu) 20:06 No.2473   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 小春日
兼題U 散紅葉
兼題V 神の旅

11月15日(金)投句開始
11月22日(金)投句締切 翌日選句開始
11月30日(金)選句締切 
12月02日(水)披講 

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
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選句をお願いします 丹仙 - 2024/11/24(Sun) 20:50 No.2474   HomePage

投句者:素蘭、寿美子、春愁、素人、白馬、風子、秋童子、翔河川、しゐ、明子、実生、ぽぽな、ヨアヒム、丹仙

[1]:池の面を大地に仮装散紅葉
いけのもをだいちにかそうちりもみじ(散紅葉・散紅葉)

[2]:漆の葉真っ赤かの散紅葉
うるしのはまっかかのちりもみじ(散紅葉・)

[3]:神の旅色なき風の中を行く
かみのたびいろなきかぜのなかをゆく(神の旅・)

[4]:神の旅機首はエデンの東向く
かみのたびききしゅはエデンのひがしむく(神の旅・神の旅)

[5]:神の旅立ち空港は人の群れ
かみのたびだちくうこうはひとのむれ(神の旅・神の旅立ち)

[6]:神の旅能登は不在のままなるや
かみのたびのとはふざいのままなるや(神の旅・神の旅)

[7]:神の旅わが家の山の神もまた
かみのたびわがやのやまのかみもまた(神の旅・神の旅)

[8]:神の旅AIツアーかも知れず
かみのたびエイアイツアーかもしれず(神の旅・神の旅)

[9]:眼帯を外せば小春日和かな
がんたいをはずせばこはるびよりかな(小春日・)

[10]:喜寿を超え北アルプスへ神の旅
きじゅをこえきたあるぷすへかみのたび(神の旅・神の旅)

[11]:小春日に来し方ばかりよみがえり
こはるびにこしかたばかりよみがえり(小春日・)

[12]:小春日のカフェの椅子が呼んでいる
こはるびのかふぇのいすがよんでいる(小春日・冬)

[13]:小春日の手品子にすぐ見破られ
こはるびのてじなすぐこにみやぶられ(小春日・小春日)

[14]:小春日の干し菜の匂ひ暮れてなほ
こはるびのほしなのにおいくれてなお(小春日・小春日)

[15]:小春日の惑星残し詩人逝く
こはるびのわくせいのこししじんいく(小春日・)

[16]:小春日や囲碁の石音届く午後
こはるびやいごのいしおととどくごご(小春日・小春日)

[17]:小春日や伊勢の赤福はづみ買ひ
こはるびやいせのあかふくはづみがい(小春日・小春日)

[18]:小春日や小鳥と鴉の声混じり
こはるびやことりとからすのこえまじり(小春日・)

[19]:小春日や何だか一句詠めそうな
こはるびやなんだかいっくよめそうな(小春日・小春日)

[20]:小春日や白寿の母へ紅を刷く
こはるびやはくじゅのははへべにをはく(小春日・小春日)

[21]:小春日や湯島に女男の坂三つ
こはるびやゆしまにめおのさかみっつ(小春日・小春日)

[22]:小春日をうつらうつらと愉しめり
こはるびをうつらうつらとたのしめり(小春日・小春日)

[23]:さくらさくらさくらもみぢて散りにけり
さくらさくらさくらもみじてちりにけり(散紅葉・もみぢ散る)

[24]:自転する水の惑星神の旅
じてんするみずのわくせいかみのたび(神の旅・神の旅)

[25]:ソロモンの秘宝遙々神の旅
そろもんのひほうはるばるかみのたび(神の旅・)

[26]:ちょっと来い親鳥が子を小春かな
ちょっとこいおやどりがこをこはるかな(小春日・[小綬鶏])

[27]:散り紅葉影も日向も埋め尽くし
ちりもじかげもひなたもうめつくし(散紅葉・)

[28]:散紅葉遺影の夫と散策す
ちりもみじいえいのつまとさんさくす(散紅葉・冬)

[29]:散紅葉視線の高さ飛びゆけり
ちりもみじしせんのたかさとびゆけり(散紅葉・散紅葉)

[30]:散紅葉認知の母も微笑みて
ちりもみじにんちのははもほほえみて(散紅葉・散紅葉)

[31]:散紅葉踏まねばいけず先師の碑
ちりもみじふまねばいけずせんしのひ(散紅葉・散紅葉)

[32]:散もみぢ長押に鈍き釘隠し
ちるもみじなげしににぶきくぎかくし(散紅葉・散もみぢ)

[33]:散紅葉マリアの涙拭ひけり
ちるもみじマリアのなみだぬぐひけり(散紅葉・)

[34]:鳥の影よぎるベンチに散紅葉
とりのかげよぎるべんちにちりもみじ(散紅葉・)

[35]:塗椀は波に兎図神の旅
ぬりわんはなみにうさぎずかみのたび(神の旅・神の旅)

[36]:掃き寄せて空豆の新芽散り紅葉
はきよせてそらまめのしんめちりもみじ(散紅葉・[空豆発芽])

[37]:一齧りのビッグアップル神の旅
ひとかじりのビッグアップルかみのたび(神の旅・冬)

[38]:ビルの風ビルの渓谷散紅葉
びるのかぜびるのけいこくちるもみじ(散紅葉・)

[39]:水あれば水鏡して神の旅
みずあればみずかがみしてかみのたび(神の旅・)

[40]:紅葉散る坂道をなほ一歩づつ
もみじちるさかみちをなほいっぽづつ(散紅葉・紅葉散る)

[41]:紅葉散るひとひらは深き谷底へ
もみじちるひとひらはふかきたにぞこへ(散紅葉・紅葉散る)

[42]:ゲート開きもうお前しか神の旅
ゲートあきもうおまえしかかみのたび(神の旅・[ジャパンカップ])



選句一覧 丹仙 - 2024/12/02(Mon) 15:40 No.2475   HomePage

風子

天の句:[4]神の旅機首はエデンの東向く
エデンと言われると、「エデンの園」を思いジェームスデーンの日ずるい顔を思い出す。なぜか魅力的な一句となって立ち上がるのだ。

地の句:[38]ビルの風ビルの渓谷散紅葉
街なかを「ビルの谷間」と、言えば聞き慣れしていて面白くないが、「ビルの渓谷」と言い直すだけで新鮮味が出るから不思議です。

人の句:[13]小春日の手品子にすぐ見破られ
親子の微笑ましい一景が、小春日という季語によってより温かく感じられる。

寿美子

天の句:[20]小春日や白寿の母へ紅を刷く
小春日 ほのぼのと心がぬくもります

地の句:[7]神の旅わが家の山の神もまた
ウィットに富んだ一句
お賽銭たくさん供えたの?

人の句:[38]ビルの風ビルの渓谷散紅葉
ビルの渓谷 詩情そそられます

ヨアヒム

天の句:[3]神の旅色なき風の中を行く
「色なき風」の表現、素晴らしい。季語「神の旅」を生かしている。

地の句:[28]散紅葉遺影の夫と散策す
 連れ合いを失った気持ちが伝わってくる。

人の句:[24]自転する水の惑星神の旅
 スケールが大きい。

ぽぽな

天の句:[32]散もみぢ長押に鈍き釘隠し
例えば、年季の入った六葉の釘隠しでしょうか。設えてある神社仏閣が見えてきます。そこに紅葉が散る光景に静かな風情が香ります。細部の描写が周りの状況を読み手に彷彿させ、とても優れていると思いました。

地の句:[21]小春日や湯島に女男の坂三つ
湯島の坂を巡ってみるには、小春日がぴったりですね。湯島界隈の風景も見えてきます。

人の句:[9]眼帯を外せば小春日和かな
長く患っていた病かもしれません、手術の後かもしれません。眼帯をした視界は何かと不快であったことでしょう。ようやく外した時の解放感といった心の様子が、小春日和の穏やかさとよく響き合うと思います。

秋童子

天の句:[14]小春日の干し菜の匂ひ暮れてなほ
小春日ならではの大事なひと手間。豊かな暮らしぶりが想像できます。

地の句:[20]小春日や白寿の母へ紅を刷く
なんと素敵なひとときでしょう!

人の句:[40]紅葉散る坂道をなほ一歩づつ
心惹かれる一句でした。

素人

天の句:[30]散紅葉認知の母も微笑みて
記憶の底にのこる思い出

地の句:[20]小春日や白寿の母へ紅を刷く
元気でいての願いを込めて

人の句:[6]神の旅能登は不在のままなるや
復興遅し冬はそこまで

しゐ

天の句:[39]水あれば水鏡して神の旅
何とも優雅な、ゆったりした感じがします。

地の句:[31]散紅葉踏まねばいけず先師の碑
散り敷く落ち葉の美しさに踏み惑うばかり。

人の句:[24]自転する水の惑星神の旅
神の旅の速度と自転の速度が重なり、不思議な気持ちになります。

明子

天の句:[15]小春日の惑星残し詩人逝く
私たちは谷川俊太郎を失ってしまった。この惑星に残されてしまった。
寂しさが募ります。

地の句:[4]神の旅機首はエデンの東向く
現代の神の旅は飛行機も駆使して。
できることなら、エデンの東に向かう飛行機に乗ってみたいと思います。

人の句:[32]散もみぢ長押に鈍き釘隠し
長押に渋い釘隠しのあるような、趣のある古いお屋敷。散もみじの
美しさが眼前に浮かびます。

春愁

天の句:[26]ちょっと来い親鳥が子を小春かな
小綬鶏親子の微笑ましい景

地の句:[7]神の旅わが家の山の神もまた
山の神、何処へお出掛け?

人の句:[13]小春日の手品子にすぐ見破られ
アットホームな家族団らん!!

白馬

天の句:[20]小春日や白寿の母へ紅を刷く
母・娘の情が良く分かります。

地の句:[39]水あれば水鏡して神の旅
神様もおめかしして旅へ。

人の句:[28]散紅葉遺影の夫と散策す
しみじみします。

素蘭

天の句:[35]塗椀は波に兎図神の旅
縁起物とされる「波に兎」図、塗椀の漆は英語でjapan
されどglobalに展開すれば、NODA・MAP、その不条理劇、、、

地の句:[1]池の面を大地に仮装散紅葉
大胆な見立てですが、落葉や雪で地面と溝や池の境界がよくわからずおっかなびっくり足を運ぶことってありますね。
その徘味が在原業平の屏風歌「ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは 」との差異。

人の句:[15]小春日の惑星残し詩人逝く
「死んだ人はみんなことばになるのだ。」とは寺山修司の名言ですが…

実生

天の句:[15]小春日の惑星残し詩人逝く
たくさん救われたです。俊太郎さん、さようなら。

地の句:[39]水あれば水鏡して神の旅
行かないで。

人の句:[31]散紅葉踏まねばいけず先師の碑
ご無沙汰してるから、私も行かねば。

翔河川

天の句:[14]小春日の干し菜の匂ひ暮れてなほ
なんの匂いでしょう

地の句:[39]水あれば水鏡して神の旅
二重写で

人の句:[09]眼帯を外せば小春日和かな
景色が暖かく

丹仙

天の句:[32]散もみぢ長押に鈍き釘隠し
紅葉の色と散りゆく時間が、その背後にある古代へと遡り行く歴史、それに配するに、鈍い釘隠しのある伝統様式の建造物のくすんだ色、落ち着いた空間性が、見事な対比を為していると思いました。

地の句:[21]小春日や湯島に女男の坂三つ
のどかな参詣風景が浮かびます

人の句:[15]小春日の惑星残し詩人逝く
二十億光年の孤独という処女詩集を出した谷川俊太郎に献げる句として印象に残りました。


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