桃李談話室
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桃李3月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2025/03/15(Sat) 11:52 No.2492   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 椿
兼題U 春雪
兼題V 四旬節

3月15日(土)投句開始
3月22日(土)投句締切 翌日選句開始
3月29日(土)選句締切 
3月30日(日)披講 

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。    



選句をお願いします 丹仙 - 2025/03/23(Sun) 09:44 No.2495   HomePage

投句一覧

投句者:寿美子、素蘭、春愁、白馬、風子、ヨアヒム、しゐ、丹仙、実生、翔河川、秋童子、明子

[1]:荒波や紅に紅継ぐ崖椿
あらなみやべににべにつぐがけつばき(椿・崖椿)

[2]:落椿若き葬送遠ざかる
おちつばきわかきそうそうとおざかる(椿・落椿)

[3]:思い切り食べて眠って四旬節
おもいききりたべてねむってしじゅんせつ(四旬節・四旬節)

[4]:ガザの子にこの一食を四旬節
がざのこにこのいっしょくをしじゅんせつ(四旬節・四旬節)

[5]:消えた後に募る恋しさ春の雪
きえたごにつのるこいしさはるのゆき(春雪・春の雪)

[6]:教皇の平癒をひたに四旬節
きょうこうのへいゆをひたにしじゅんせつ(四旬節・四旬節)

[7]:空襲を語る三月子に孫に
くうしゅうをかたるさんがつこにまごに(三月)

[8]:小鳥鳴き四旬節だもうすぐだ
ことりなきしじゅんせつだもうすぐだ(四旬節・ウグイス)

[9]:桜隠し赤き実の肩寄せ合うて
さくらかくしあかきみのかたよせおうて(春雪・桜隠し)

[10]:四旬節正しく理解出来ぬ我
しじゅんせつただしくりかいできぬわれ(四旬節・)

[11]:しづこころ無き世の中に落椿
しづこころなきよのなかにおちつばき(椿・椿)

[12]:主を三度「知らぬ」とペテロ受難節
しゅをみたびしらぬとぺてろじゅなんせつ(四旬節・受難節)

[13]:春雪の濡らしたる絵馬木の香立つ
しゅんせつのぬらしたるえまきのかたつ(春雪・春雪)

[14]:春雪をかぶり喜ぶ草木かな
しゅんせつをかぶりよろこぶくさきかな(春雪・)

[15]:白椿ぽたり堕ちたり静かなり
しろつばきぽたりおちたりしずかなり(椿・椿)

[16]:浄閑の苔むす寺や落椿
じょうかんのこけむすてらやおちつばき(椿・)

[17]:スマホ断ちするとふをみな四旬節
すまほだちするとうおみなしじゅんせつ(四旬節・四旬節)

[18]:大本営発表ありき落椿
だいほんえいはっぴょうありきおちつばき(椿・落椿)

[19]:断食を訝しがられ四旬節
だんじきをいぶかしがられしじゅんせつ(四旬節・)

[20]:椿落つ音してしばし歩を止めて
つばきおつおとしてしばしほをとめて(椿・)

[21]:ともしびを囲む夕餉や四旬節
ともしびをかこむゆうげやしじゅんせつ(四旬節・四旬節)

[22]:道標に乗せてありたる落椿
どうひょうにのせてありたるおちつばき(椿・椿)

[23]:長居する客を急かせる春の雪
ながいするきゃくをせかせるはるのゆき(春雪・春の雪)

[24]:姉ちゃんと呼ぶ叔母ありて椿餅
ねいちゃつんとよぶおばありてつばきもち(椿・椿)

[25]:春の雪積もれど溶ける早さかな
はるのゆきつもれどとけるはやさかな(春雪・春の雪)

[26]:春の雪手摺に重し友死して
はるのゆきてすりにおもしともしして(春雪・)

[27]:春の雪復活祭を待望む
はるのゆきふっかつさいをまちのぞむ(春雪・)

[28]:春雪や疎ながらに畑染め
はるゆきやまだらながらはたけそめ(春雪・[植え付け])

[29]:盤石にあらぬ岩盤春の雪
ばんじゃくにあらぬぷれーとはるのゆき(春雪・春の雪)

[30]:日の洩るる聖堂の午後リラの花
ひのもるるせいどうのごごリラのはな(リラの花)

[31]:紐解けば香り懐かし椿餅
ひもとけばかおりなつかしつばきもち(椿・)

[32]:降りたくてたまらぬように春の雪
ふりたくてたまらぬようにはるのゆき(春雪・春の雪[2025.3.19の雪])

[33]:紅椿足摺岬風岬
べにつばきあしずりみさきかぜみさき(椿・紅椿[四国遍路])

[34]:蜜吸いて紅椿落ち裸地紅く
みつすいてべにつばきおちらちあかく(椿・紅椿[ひよどり])

[35]:耶蘇寺の手水に消ゆる春の雪
やそでらのちょうずにきゆるはるのゆき(春雪・春の雪)



選句一覧 丹仙 - 2025/03/30(Sun) 16:15 No.2496   HomePage

白馬

天の句:[5]消えた後に募る恋しさ春の雪
若き恋心を雪に託して

地の句:[4]ガザの子にこの一食を四旬節
出来ることならUbarで配達してあげたい

人の句:[22]道標に乗せてありたる落椿
村の角

風子

天の句:[1]荒波や紅に紅継ぐ崖椿
地の句:[5]消えた後に募る恋しさ春の雪
人の句:[21]ともしびを囲む夕餉や四旬節
実生

天の句:[24]姉ちゃんと呼ぶ叔母ありて椿餅
叔母さんの声、懐かしいなぁ。良くおはぎなど届けてくれたっけ。地縁のみの関係だけど
母を姉ちゃんと言って。

地の句:[32]降りたくてたまらぬように春の雪
寒かった。案外牡丹雪だったけど、歓迎しないのにお待たせと言ってるみたいな雪でした。

人の句:[6]教皇の平癒をひたに四旬節
退院して良かった。平癒をひたに、ひたにの言葉に思いがこもっていて。

しゐ

天の句:[22]道標に乗せてありたる落椿
道標に乗せた人の思いと、通りがかりにそれを見て心を動かされた人の思いは、とても清らかなところで繋がっているように思えました。

地の句:[12]主を三度「知らぬ」とペテロ受難節
私もまた「知らぬ」と何度でも言ってしまう人間であろうことを思い、胸にこたえる。

人の句:[21]ともしびを囲む夕餉や四旬節
ほのぐらいあかりの中で、イエスの生涯に思いを寄せて祈る家族の姿が浮かびます。

寿美子

天の句:[2]落椿若き葬送遠ざかる
椿は春の木 赤い落ち椿に夭折の無念おもわれます

地の句:[5]消えた後に募る恋しさ春の雪
雪害を知らないせいかロマンチックな創造ばかり膨らみます

人の句:[6]教皇の平癒をひたに四旬節
何事も思うようにならない世界情勢
せめて教皇のご平癒を祈ります

秋童子

天の句:[32]降りたくてたまらぬように春の雪
これまで降りたくても降れなかった雪たちが、3月のいまごろになって、ようやく思う存分に・・・。

地の句:[5]消えた後に募る恋しさ春の雪
もうこれで、しばらく会えなくなってしまうのだと。

人の句:[20]椿落つ音してしばし歩を止めて
落ちた音、気になりますよね。

春愁

天の句:[11]しづこころ無き世の中に落椿
慌ただしい落ち着いた心がない世の中に椿も次々と・・・

地の句:[13]春雪の濡らしたる絵馬木の香立つ
天神様の絵馬、祈願成就の予感

人の句:[16]浄閑の苔むす寺や落椿
浄閑寺、荷風の「里の今昔」が思い起こされる

翔河川

天の句:[32]降りたくてたまらぬように春の雪
前が見えなくなるほど

地の句:[35]耶蘇寺の手水に消ゆる春の雪
すぐに消えてしまう

人の句:[22]道標に乗せてありたる落椿
赤い椿だろうか

ヨアヒム

天の句:[20]椿落つ音してしばし歩を止めて
 気付きにくい小さな音、着目した視点が素晴らしい。

地の句:[30]日の洩るる聖堂の午後リラの花
 季語「リラの花」が生きている。

人の句:[7]空襲を語る三月子に孫に
 人類の苦い歴史を風化させてはいけない。

素蘭

天の句:[30]日の洩るる聖堂の午後リラの花
リラの花咲く復活祭
プロヴァンスの小さな村の由緒ある教会
見果てぬ夢になりそうですが…

地の句:[35]耶蘇寺の手水に消ゆる春の雪
北鎌倉の余寒かな?

人の句:[16]浄閑の苔むす寺や落椿
深山椿に妖女の姿を連想する漱石
幾百年の星霜を経た古刹の椿ならばその翳りはいや増しに、、、

明子

天の句:[4]ガザの子にこの一食を四旬節
本当にそれが出来たら・・・胸が痛くなりました。

地の句:[33]紅椿足摺岬風岬
漢字だけの句ですが、明るい土佐の岬の光景が目に見えるようです。

人の句:[32]降りたくてたまらぬように春の雪
先日の雪は、本当にこんな感じでした。

丹仙

天の句:[13]春雪の濡らしたる絵馬木の香立つ
春雪の本意をよく捉えた印象的な句です。

地の句:[30]日の洩るる聖堂の午後リラの花
晩春、復活祭のころの聖堂の叙景が懐かしい。

人の句:[4]ガザの子にこの一食を四旬節
四旬節は大斎の時節が、その食事代を奉仕活動に振り分ける慣習がありますが、ガザの子に焦点をあてたところが今を感じさせます。



聖グレゴリオの家連続講演 投稿者:丹仙 投稿日:2025/03/18(Tue) 19:15 No.2494   HomePage

けふよりは詩編百五十 日に一編読みつつゆけば平和来なむか
(南原繁歌集『形相』所収)

80年前、無教会キリスト者の内村鑑三の平和主義から大きな影響を受けた南原繁の読んだこの短歌は、東京大空襲の戦禍のさなかに詠まれたものですが、それはまた、敗戦後の日本が、平和な国として再出発するには何をなすべきか、その理念と祈りを聖書の詩編にもとめたものでもありました。内村鑑三と南原繁の平和への願いを想起しつつ、『詩編に聴く―聖書と典礼」という連続講義を行う予定です。
この講義は内村鑑三の連続講義『聖書の研究』を手本としていますが、私は、内村があまり問題としなかった「(ユダヤ教・東方キリスト教・西方キリスト教の)典礼のなかの聖書」という視点をあらたに付け加えました。

カトリックの「教会の祈り(新しい聖務日課)」では、詩編が中心的な位置を占めています。主日の典礼、毎日の聖務日課(時課)に参加する者は、詩編150編のすべてを、様々な形態で、朗唱することになるでしょう。キリスト者の祈りは、ユダヤ教の典礼を母体としていますが、排他的な民族主義を克服して、すべての民と被造物の救済を目指すカトリック信仰に基づいています。
 聖グレゴリオの家で歌われるグレゴリオ聖歌のラテン語テキストは、初代のキリスト者の世界の共通語であったギリシャ語聖書(七〇人訳聖書)に基づいています。新約聖書のなかの旧約聖書の引用は、基本的には詩編も含めて、この七〇人訳ギリシャ語聖書によりますので、新約時代のキリスト者の信仰を理解するためには、ユダヤ教正典のヘブライ語テキストだけでなく、ギリシャ語テキストに基づくキリスト者の詩編解釈の伝統を知ることも必要となってきます。

私の連続講義は2025年の復活祭の後から開始し、全部で十回を予定しています。

詩編の構成・作者・表題・内容の分類・キリスト者の詩編解釈の伝統・近代語訳(英語欽定訳など)日本語訳の比較など、詩編釈義に伴う様々な諸問題を論じる予定です。カトリック教会の典礼ではグレゴリオ聖歌が中心的な位置を占めますが、この講義では、復活祭に関連する詩編、とくに「詩編51に聴く―灰の水曜日の懺悔と賛美」「詩編118に聴く―ペテロの証し―受難の民の希望」「詩編148に聴くーアッシジの聖フランシスコの祈り・ラウダート・シに寄せて」「詩編150に聴く―復活祭のアレルヤ唱」など、カトリックの典礼と聖務日課に関連の深い詩編を幾つか選んで詳しく解説します。また、七〇人ギリシャ語訳聖書の伝統を継承する正教会の典礼で詩篇がどのように歌われているかを知るために、日本でもよく知られているラフマニノフの「晩祷(徹夜祷)を手引きとして、その背景にある正教会の典礼で歌われる詩篇と新約聖書の賛歌を解説します。

申込先 (録画配信も致します)
聖グレゴリオの家宗教音楽研究所
〒203-0004 東京都東久留米市氷川台2−7−12
TEL 042-474-8915 FAX:042-474-8832



無題 投稿者:太田風子 投稿日:2025/03/05(Wed) 09:29 No.2491  
そうでしたか。失礼いたしました。多分私が後で入れ替えたのだと思います。忘れていました。自句自解としてご理解をお願いします。この度は申し訳ありませんでした。こんな私ですが今後とも、宜しくお願い致します。



無題 投稿者:太田風子 投稿日:2025/03/03(Mon) 05:23 No.2489  
梅     足元のあやうき風の梅の花

上記の句は太田風子の句です。修正お願いします。

梅     梅咲いて足元さらう詐欺集団は私に句ではあリマ戦。

よろしくお願いします。



Re: 無題 丹仙 - 2025/03/03(Mon) 15:30 No.2490  

風子様

いつも投稿ありがとうございます。

  足元のあやうき風の梅の花

と言う句は、投句一覧にありませんので、風子様のところからサーバーに配信されていなかったのだと思います。原因はよく分かりません。

投句データ、選句データともに、コンピューターのソフトが自動的におこなっていますが、私の手元にあるそのデータをみますと、

  梅咲いて足元さらう詐欺集団

は風子様の投句となっています。また選句データをみますと
風子さまの選評として
  「平穏な世と闇社会の対比。」
とありました。
インターネット上の句会では、選句の時に、作者を伏せて表示された句が、自分の句であったことを忘れてしまうことがよく起こります。(私にもそんな経験がよくあります)。
「平穏な世と闇社会の対比」というのは、私には実に的確な選評だと思いますので、これは風子様の自句解説ということで皆様に了解して頂ければと思います。



桃李2月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2025/02/13(Thu) 08:28 No.2486   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 梅
兼題U 麦踏
兼題V 百千鳥

2月14日(金)投句開始
2月21日(金)投句締切 翌日選句開始
2月28日(金)選句締切 
3月01日(土)披講  

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。  



選句をお願いします 丹仙 - 2025/02/22(Sat) 08:23 No.2487  

投句一覧

投句者:春愁、素蘭、白馬、寿美子、実生、素人、ヨアヒム、しゐ、風子、丹仙、翔河川、秋童子

[1]:足占はや昭和五年の麦を踏む
あうらはやしょうわごねんのむぎをふむ(麦踏・麦を踏む)

[2]:あしひきの山師の誤算百千鳥
あしひきのやましのごさんももちどり(百千鳥・百千鳥)

[3]:梅一片少女の髪に光おり
うめいっぺんしょうじょのかみにひかりおり(梅・)

[4]:梅咲いて足元さらう詐欺集団
うめさいてあしもとさらうさぎしゅうだん(梅・)

[5]:梅眺め友は三十路で旅立てり
うめながめともはみそじでたびたてり(梅・梅)

[6]:梅の花我も小鳥も待ち望む
うめのはなわれもことりもまちのぞむ(梅・梅花)

[7]:梅ふふむふるさとは今日もゆき、ゆき、ゆき
うめふふむふるさとはきょうもゆき、ゆき、ゆき(梅・梅)

[8]:浦上に新しき鐘麦を踏む
うらかみにあたらしきかねむぎをふむ(麦踏・)

[9]:餌と水揃えて呼び込む百千鳥
えさとみずそろえてよびこむももちどり(百千鳥・)

[10]:餌取りに縄張り競ひ百千鳥
えさとりになわばりきそひももちどり(百千鳥・百千鳥)

[11]:佳子さまの孤愁の窓辺 梅凛と
かこさまのこしゅうのまどべうめりんと(梅・梅凛と)

[12]:風もなく小枝が揺れる百千鳥
かぜもなくこえだがゆれるももちどり(百千鳥・メジロ)

[13]:ガザというかなしきところ春寒し
がざというかなしきところはるさむし(春寒)

[14]:木は一樹駅前ロータリー百千鳥
きはいちじゅえきまえろーたりーももちどり(百千鳥・)

[15]:里山の静けさ破り百千鳥
さとやまのしずけさやぶりももちどり(百千鳥・)

[16]:早春のガザに束の間笑顔かな
そうしゅんのがざにつかのまえがおかな(早春)

[17]:通院の足ひき止むる梅一輪
つういんのあしひきとむるうめいちりん(梅・梅)

[18]:鳥一羽吸って飛び立つ梅の露
とりいちわすってとびたつうめのつゆ(梅・)

[19]:長々と麦踏む影や大落暉
ながながとむぎふみむかげやだいらっき(麦踏・麦踏む影)

[20]:西坂や少年像に梅真白
にしざかやしょうねんぞうにうめましろ(梅・)

[21]:ぬばたまの海苔弁の味梅二月
ぬばたまののりべんのあじうめにがつ(梅・梅二月)

[22]:寝坊して窓を開ければ百千鳥
ねぼうしてまどをあければももちどり(百千鳥・百千鳥)

[23]:梅林に佇むふたり言葉なし
ばいりんにたたずむふたりことばなし(梅・梅林)

[24]:梅林を抜け行く友の姿なほ
ばいりんをぬけゆくとものすがたなほ(梅・梅)

[25]:ふたりして近づき離れ麦を踏む
ふたりしてちかづきはなれむぎをふむ(麦踏・麦を踏む)

[26]:満ち足りて目覚むる朝百千鳥
みちたりてめさむるあしたももちどり(百千鳥・百千鳥)

[27]:麦踏のイヤホーンより新世界
むぎふみのイヤホーンよりしんせかい(麦踏・)

[28]:麦踏はおどおど踏んで叱られた
むぎふみはおとおどふんでしかられた(麦踏・子供の冬仕事[農学へ])

[29]:麦踏や名前を綽名で呼ばれけり
むぎふみやなまえをあだなでよばれけり(麦踏・)

[30]:麦を踏むゼロ回答を子らに告げ
むぎをふむぜろかいとうをこらにつげ(麦踏・麦踏)

[31]:百千鳥古窯出土の四耳の壺
ももちどりこようしゅつどのしじのつぼ(百千鳥・百千鳥)

[32]:百千鳥混声合唱好き勝手
ももちどりこんせいがっしょうすきかって(百千鳥・百千鳥)

[33]:百千鳥しばし黙せよ吾も祈る
ももちどりしばしもくせよあもいのる(百千鳥・)

[34]:百千鳥少女にもある変声期
ももちどりしょうじょにもあるへんせいき(百千鳥・百千鳥)

[35]:百千鳥窓を開ければピタと止む
ももちどりまどをあければぴたとやむ(百千鳥・)

[36]:山里は山を砦に麦を踏む
やまざとはやまをとりでにむぎをふむ(麦踏・麦踏)



選句一覧 丹仙 - 2025/03/01(Sat) 20:13 No.2488   HomePage

寿美子

天の句:[34]百千鳥少女にもある変声期
令和生まれの少女 なんでも有りですね

地の句:[8]浦上に新しき鐘麦を踏む
新しき鐘と麦踏のとりあわせに惹かれる

人の句:[25]ふたりして近づき離れ麦を踏む
そんな時代がありました

素人

天の句:[29]麦踏や名前を綽名で呼ばれけり
ふるさとなれば古きともがき

地の句:[32]百千鳥混声合唱好き勝手
聴いてもらおうなどと思わず

人の句:[24]梅林を抜け行く友の姿なほ
去る友の背に寂しさを見る

しゐ

天の句:[33]百千鳥しばし黙せよ吾も祈る
この祈りは何かとても切実であることが推測され、共に祈りたくなります。

地の句:[28]麦踏はおどおど踏んで叱られた
貴重な実体験の句。この麦を、足で踏んでいいものかどうか、、、と戸惑わずにいられない感覚が伝わります。作者は幼い麦と自分を重ねていたのではないでしょうか。

人の句:[36]山里は山を砦に麦を踏む
親しみ深い山に守られている実感があります。

実生

天の句:[1]足占はや昭和五年の麦を踏む
世界恐慌は怖い。一生の内、無事平穏は無いのだろう。

地の句:[21]ぬばたまの海苔弁の味梅二月
若い頃憧れた黒髪もなし。海苔弁も懐かしい。ストーブの上に温めていた海苔弁かな、
きっとそうだ。

人の句:[31]百千鳥古窯出土の四耳の壺
作者不明、それとも海を渡って来たのかな。百千鳥のように沢山、そんなはずないなぁ。
百千鳥。

秋童子

天の句:[19]長々と麦踏む影や大落暉
ミレーの晩鐘のような味わい深い風景を思い浮かべました。

地の句:[7]梅ふふむふるさとは今日もゆき、ゆき、ゆき
こちらはもう春の兆しが感じられるというのに、遠い故郷は、家族は・・・。

人の句:[28]麦踏はおどおど踏んで叱られた
「おどおど踏んで」に実感がこもっています。最初から強くなんて踏めませんものね。

翔河川

天の句:[25]ふたりして近づき離れ麦を踏む
ご夫婦が黙々と

地の句:[17]通院の足ひき止むる梅一輪
ふと見上げると

人の句:[33]百千鳥しばし黙せよ吾も祈る
ガザでしょううか

風子

天の句:[31]百千鳥古窯出土の四耳の壺
素晴らしい出土品だったに違いない。人々の驚きと喜びが感じられる。

地の句:[4]梅咲いて足元さらう詐欺集団
平穏な世と闇社会の対比。

人の句:[25]ふたりして近づき離れ麦を踏む
夫婦のありようが一句に表現されている。

素蘭

天の句:[31]百千鳥古窯出土の四耳の壺
里山近くに築かれた古窯
百千鳥の群鳴はうたかた人の耳にも。。。。

地の句:[23]梅林に佇むふたり言葉なし
「なかなかなまめかしうおくゆかし」き情景

人の句:[30]麦を踏むゼロ回答を子らに告げ
キッパリ!、、、、、、、、、、、、

丹仙

天の句:[31]百千鳥古窯出土の四耳の壺
古窯出土の四耳の壺が、時を超えて、百千鳥の囀りを聴いているかのような幽遠な趣に惹かれました。

地の句:[19]長々と麦踏む影や大落暉
雄大な景色、一幅の絵になりますね。

人の句:[7]梅ふふむふるさとは今日もゆき、ゆき、ゆき
破調ですが、それだけに故郷の豪雪への思いが感じられます。

春愁

天の句:[27]麦踏のイヤホーンより新世界
春浅き麦踏に "家路"への想い、伝わります。

地の句:[21]ぬばたまの海苔弁の味梅二月
日の丸弁当の二月??

人の句:[12]風もなく小枝が揺れる百千鳥
枝のここかしこから、 "囀り"が・・・。



桃李1月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2025/01/13(Mon) 17:59 No.2483   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 読初
兼題U 冬薔薇
兼題V 小正月

1月15日(水)投句開始
1月22日(水)投句締切 翌日選句開始
1月29日(水)選句締切 
1月30日(木)披講   

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。  



選句をお願いします 丹仙 - 2025/01/23(Thu) 08:52 No.2484   HomePage

投句者:春愁、風子、寿美子、素人、翔河川、しゐ、ヨアヒム、実生、丹仙、素蘭、秋童子、明子

[1]:諍ひて別れし子より冬の薔薇
いさかいてわかれしこよりふゆのばら(冬薔薇・冬の薔薇)

[2]:植木屋の帰りし後の冬の薔薇
うえきやのかえりしのちのふゆのばら(冬薔薇・冬の薔薇)

[3]:ガザに咲け百万本の冬の薔薇
がざにさけひゃくまんぼんのふゆのばら(冬薔薇・冬の薔薇)

[4]:くれなゐの薔薇と少年寒夕焼
くれないのばらとしょうねんかんゆやけ(冬薔薇・寒夕焼)

[5]:小正月順番待ちのモーニング
こしょうがつじゅんばんまちのもーにんぐ(小正月・小正月)

[6]:小正月集ひし家族笑ひ合ふ
こしょうがつつどいしかぞくわらいあう(小正月・小正月)

[7]:小正月母の作りし小豆粥
こしょうがつははのつくりしあずきがゆ(小正月・小正月[季重なりですけど…])

[8]:小正月ガザの平和を祈る夜半
こしょうがつガザのへいわをいのるよわ(小正月・)

[9]:献立は大根おろし常夜鍋
こんだてはだいこんおろしじょうやなべ(小正月・大根[常夜鍋])

[10]:善哉に仕舞の餅を小正月
ぜんざいにしまいのもちをこしょうがつ(小正月・小正月)

[11]:団子木は大ぶりを好む父なりし
だんごぎはおおぶりをこのむちちなりし(小正月・団子木)

[12]:月に吠ゆるおほかみをらず小正月
つきにほゆるおおかみおらずこしょうがつ(小正月・小正月)

[13]:年頭の決意やいずこ小正月
ねんとうのけついやいずここしょうがつ(小正月・小正月)

[14]:腹這いてインクかんばし読始
はらばいてインクかんばしよみはじめ(読初・)

[15]:冬薔薇くりかえし聴くアベマリア
ふゆそうびくりかえし聴くアベマリア(冬薔薇・)

[16]:冬薔薇ネオンの街の未知の色
ふゆそうびねおんのまちのみちのいろ(冬薔薇・)

[17]:冬の薔薇そのありようの凛として
ふゆのばらそのありようのりんとして(冬薔薇・冬の薔薇)

[18]:冬薔薇や矛盾を生きるベネディクト
ふゆばらやむじゅんをいきるベネディクト(冬薔薇・[献身者誓願の日])

[19]:冬薔薇を一本買って句をひねる
ふゆばらをいっぽんかってくをひねる(冬薔薇・[バラ咲いてなくて])

[20]:冬薔薇を17歳が持つ花瓶
ふゆばらをじゅうななさいがもつかびん(冬薔薇・)

[21]:本年も頑張れるかな冬薔薇
ほんねんもがんばれるかなふゆそうび(冬薔薇・冬薔薇)

[22]:店の名は半ば消えゐて冬薔薇
みせのなはなかばきえいてふゆそうび(冬薔薇・冬薔薇)

[23]:みそ汁と通信ふえて小正月
みそしるとつうしんふえてこしょうがつ(小正月・)

[24]:読初といふにあらねど漢語林
よみぞめというにあらねどかんごりん(読初・読初)

[25]:読初にチボー家のジャック訪ねゆく
よみぞめにちぼーけのじゃっくたずねゆく(読初・読初)

[26]:読初の詩集に挟む母の文
よみぞめのししゅうにはさむははのふみ(読初・読初)

[27]:読初は「坂の上の雲」今年また
よみぞめは「さかのうえのくも」ことしまた(読初・読初)

[28]:読初はいつも各紙のトップ記事
よみぞめはいつもかくしのとっぷきじ(読初・読初[職業病…])

[29]:読初はお祓い待つ間チンギス紀
よみぞめはおはらいまつまちんぎすき(読初・[八幡宮にて])

[30]:読初はフランシスコの小さき花
よみぞめはフランシスコのちさきはな(読初・)

[31]:読初やあのチボー家をもう一度
よみぞめやあのちぼーけをもういちど(読初・読初)

[32]:読初や句誌の扉に師の笑顔
よみぞめやくしのとびらにしのえがお(読初・読初)

[33]:読初や鉄瓶の湯のたぎる音
よみぞめやてつびんのゆのたぎるおと(読初・読初)

[34]:ワカモレをパンにのばして小正月
わかもれをぱんにのばしてこしょうがつ(小正月・)

[35]:ゴシップに数多の尾ひれ女正月
ゴシップにあまたのおひれめしょうがつ(小正月・女正月)

[36]:ボヘミアングラスいっぱい冬薔薇
ボヘミアングラスいっぱいふゆそうび(冬薔薇・冬薔薇)



選句一覧 丹仙 - 2025/01/30(Thu) 08:58 No.2485   HomePage

素人

天の句:[36]ボヘミアングラスいっぱい冬薔薇
男やもめの部屋を明るく

地の句:[10]善哉に仕舞の餅を小正月
けじめをつけて少し満足

人の句:[7]小正月母の作りし小豆粥
餅に飽きての心地よきかな

寿美子

天の句:[15]冬薔薇くりかえし聴くアベマリア
寒気にまけず凛と咲く薔薇
私はグノーのアベマリアが好きです

地の句:[24]読初といふにあらねど漢語林
同感です 新年の感慨の薄れてしまった日々を 
寂しく思っています

人の句:[35]ゴシップに数多の尾ひれ女正月
聞きたくないが 聞こえてくるゴシップ
女正月つきすぎの感あります

実生

天の句:[26]読初の詩集に挟む母の文
仏壇から嫁いだ娘を案じる手紙が。母の母からだけど、息子は読めなかった。達筆で。

地の句:[7]小正月母の作りし小豆粥
季重いいよ、お母ちゃん思い出した。

人の句:[3]ガザに咲け百万本の冬の薔薇
加藤登紀子さん歌って。

春愁

天の句:[13]年頭の決意やいずこ小正月
一年の計を立てたばかりなのに・・・俳諧味がある。

地の句:[22]店の名は半ば消えゐて冬薔薇
客の姿のない、昔からある花舗。冬バラが淋しそうに・・・。

人の句:[14]腹這いてインクかんばし読始
積読の新刊書を、寝正月に・・・の景! あるある。

しゐ

天の句:[33]読初や鉄瓶の湯のたぎる音
静けさと穏やかさが、たった一つの音に守られているような時間。

地の句:[13]年頭の決意やいずこ小正月
半月も持たなかった決意、、、私にも心当たりが。

人の句:[22]店の名は半ば消えゐて冬薔薇
何か物語がありそうな。

風子

天の句:[1]諍ひて別れし子より冬の薔薇
蟠りのある別れをした母親も気持ちはいかがなものであったか。何色の薔薇が届いたのでしょうか?黄色かな?白では無いでしょう。赤でも無いと思う。

地の句:[13]年頭の決意やいずこ小正月
新年も抱負や決意を真剣に考えたのに、中ば過ぎれば、え!なんだったけ?などと腑抜けなことを言う。

人の句:[28]読初はいつも各紙のトップ記事
そうでしょう。大体は、新聞が初読みとなる。当たり前だがそれを句にしたところが面白い。

素蘭

天の句:[33]読初や鉄瓶の湯のたぎる音
たぎるもの 湯のみにあらず

地の句:[1]諍ひて別れし子より冬の薔薇
ほっこりしました?

人の句:[11]団子木は大ぶりを好む父なりし
山形県の伝統行事なんですね。「大ぶりを好む」のも納得の楽しい飾りがいっぱい。

ヨアヒム

天の句:[1]諍ひて別れし子より冬の薔薇
 これほど嬉しい贈り物はありません。

地の句:[33]読初や鉄瓶の湯のたぎる音
 集中力凄い!。面白い読み物なんですネ。

人の句:[13]年頭の決意やいずこ小正月
 その通りです。

秋童子

天の句:[17]冬の薔薇そのありようの凛として
色彩の乏しい風景の中で、寒風にもさらされながら。

地の句:[10]善哉に仕舞の餅を小正月
いかにも小正月ですね。

人の句:[8]小正月ガザの平和を祈る夜半
ガザの人々に対する不条理な仕打ちに、日々祈るばかりです。

翔河川

天の句:[22]店の名は半ば消えゐて冬薔薇
廃店舗でしょうか

地の句:[35]ゴシップに数多の尾ひれ女正月
女性はゴシップ好き?

人の句:[11]団子木は大ぶりを好む父なりし
大きな餅花で

明子

天の句:[14]腹這いてインクかんばし読始
インクの匂いが心地よく、新しい年を迎えた気分が伝わります。
腹這いで、というのも面白いと思います。

地の句:[13]年頭の決意やいずこ小正月
もう十五日も過ぎてしまった。

人の句:[15]冬薔薇くりかえし聴くアベマリア
静謐な空気が満ちている。

丹仙

天の句:[15]冬薔薇くりかえし聴くアベマリア
アベ・マリアはグノー、シューベルト、カッチーニと様々な調べに乗せて歌われますが、何度も聞きたくなるのは、どの作曲家のものでしょうか。
私の場合は、(イタリアのルネッサンス期の作曲家カッチーニの名前を借りて作曲された)ロシアのリュート奏者ヴィバロフのものです。ロシア人のイタリアへの憧れと、秘められた想いが伝わり、「冬薔薇」の季語とよく調和しますので。

地の句:[11]団子木は大ぶりを好む父なりし
小正月という季題の本意に即した句ですが、それだけでなく、父への回想を重ねたところが、よいと思いました。

人の句:[36]ボヘミアングラスいっぱい冬薔薇
ボヘミアングラスには何となく舶来の趣があり、それが冬薔薇と協和して、なんとも豪華な印象を与えるところが良いですね。



謹賀新年 令和七年元旦 投稿者:丹仙 投稿日:2025/01/01(Wed) 07:34 No.2482   HomePage

   皆様のご健康、ご多幸を祈ります

ほむべきかな、日は美しく眩しきまでに照り渡る
かれこそは主の御姿、ああ高きにいます主よ
           ―アッシジの聖フランシスコ

 今年は「詩編に聴くー聖書と典礼の研究」という
連続講義を聖グレゴリオの家(宗教音楽研究所)で一年間行う予定です。たとえばヘブライ詩編148に連関して、フランシスコの「太陽の歌」を聴きます。
 それと並行して、12月のクリスマスから桃李歌壇の旧作品投稿室に、キリスト教と日本文化の創造的な邂逅をめざして、「福音歳時記」を連載することにしました。コメントなどお聞かせいただければ幸甚です。

                  丹仙(田中 裕)



桃李12月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/12/14(Sat) 10:50 No.2478   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 冬日
兼題U 聖夜
兼題V 平和賞(不言題)

12月15日(日)投句開始
12月22日(日)投句締切 翌日選句開始
12月29日(日)選句締切 
12月30日(月)披講   

今月の不言題は「平和賞」という言葉を使わずに(ノーベル)平和賞を詠んで下さい

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。  




選句をお願いします 丹仙 - 2024/12/23(Mon) 06:57 No.2480   HomePage

投句一覧

投句者:白馬、素蘭、寿美子、素人、春愁、風子、実生、しゐ、秋童子、丹仙、翔河川、ヨアヒム、明子、ぽぽな

[1]:いくつもの夜をたくわえ冬日差す
いくつものよるをたくわえふゆひさす(冬日・冬日)

[2]:祈るために手のひらはあり冬の月
いのるためにてのひらはありふゆのつき(平和賞(不言題)・)

[3]:遅すぎた春ではあれど被団協
おそすぎたはるではあれどひだんきょう(平和賞(不言題)・春)

[4]:穏やかな冬日や父母の忌に集ふ
おだやかなふゆびやふぼのきにつどう(冬日・冬日)

[5]:介護士へ微笑み返す聖夜かな
かいごしへほほえみかえすせいやかな(聖夜・聖夜)

[6]:カタログに黒丸つける孫のイブ
かたろぐにくろまるつけるまごのいぶ(聖夜・[サンタへの祈り])

[7]:悲しみに喜びを重ねトーチ過ぐ
かなしみによろこびをかさねとーちすぐ(平和賞(不言題)・なし[オスロのトーチパレード])

[8]:寒月や金平糖の角の数
かんげつやこんぺいとうのつののかず(平和賞(不言題)・寒月)

[9]:杵を持つ孫の手震え冬日さす
きねをもつまごのてふるえふゆびさす(冬日・[餅つき])

[10]:胸中の奥へ冬日の届かざる
きょうちゅうのおくへふゆびのとどかざる(冬日・冬)

[11]:午後三時気配の変わる冬日かな
ごごさんじけはいのかわるふゆびかな(冬日・冬日)

[12]:寒空のトーチパレードオスロ燃ゆ
さむぞらのとーちぱれーどおすろもゆ(平和賞(不言題)・寒空)

[13]:終日をテニスコートで冬日向
しゅうじつをテニスコートでふゆひなた(冬日・冬日向)

[14]:聖樹の灯ティファニーブルーの小筐解く
せいじゅのひティファニーブルーのこばことく(聖夜・聖樹の灯)

[15]:聖夜とて街はひっそり寝静まる
せいやとてまちはひっそりねしずまる(聖夜・聖夜)

[16]:鶴群れて核無き宙へ飛び立てり
つるむれてかくなきそらへとびたてり(平和賞(不言題)・紙の鶴)

[17]:てくてくと聖夜の灯り月ひとつ
てくてくとせいやのあかりつきひとつ(聖夜・)

[18]:手作りが織り成す妻の聖夜かな
てづくりがおりなすつまのせいやかな(聖夜・聖夜)

[19]:天中にオセロの月の冴えわたる
てんちゅうにオセロのつきのさえわたる(平和賞(不言題)・冴ゆ)

[20]:螺子巻けば回る聖夜のオルゴール
ねじまけばまわるせいやのおるごーる(聖夜・)

[21]:反核の願ひ輝け寒北斗
はんかくのねがいかがやけかんほくと(平和賞(不言題)・寒北斗[オスロー])

[22]:人々の祈りの重く聖夜更く
ひとびとのいのりのおもくせいやふく(聖夜・聖夜)

[23]:被爆者とボタンを押した人の差は
ひばくしゃとぼたんをおしたひとのさは(平和賞(不言題)・)

[24]:冬の日に影引きそいて踊り場に
ふゆのひにかげひきそいておどりばに(冬日・)

[25]:冬の日の子の影長く母を待つ
ふゆのひのこのかげながくははをまつ(冬日・)

[26]:冬の日や電話もならず人も来ず
ふゆのひやでんわもならずひともこず(冬日・冬の日)

[27]:冬の日を余すことなく浴びて鳥
ふゆのひをあますことなくあびてとり(冬日・)

[28]:冬日燦不定愁訴かロダン像
ふゆひさんふていしゅうそかロダンぞう(冬日・冬日燦)

[29]:冬日向籠となる竹削りをり
ふゆひなたかごとなるたけけずりおり(冬日・冬日向)

[30]:冬日受け庭の体操ひとりきり
ふゆびうけにわのたいそうひとりきり(冬日・)

[31]:冬日さす黒板消しの過去の色
ふゆびさすこくばんけしのかこのいろ(冬日・)

[32]:冬日さす天主堂より今日の鐘
ふゆびさすてんしゅどうよりきょうのかね(平和賞(不言題)・冬日)

[33]:平和の声届かぬ民や冬ざるる
へいわのこえとどかぬたみやふゆざるる(平和賞(不言題)・冬ざるる)

[34]:星の子の名前は星聖夜劇
ほしのこのなまえはひかりせいやげき(聖夜・聖夜劇)

[35]:ボンド様冬を味方に停戦を
ぼんどさまふゆをみかたにていせんを(平和賞(不言題)・冬[虚しい])

[36]:御心のままに迎へる聖夜かな
みこころのままにむかへるせいやかな(聖夜・聖夜)

[37]:道長とまひろの月も聖夜かな
みちながとまひろのつきもせいやかな(聖夜・冬)

[38]:若き等に託す願ひや冬の星
わかきらにたくすねがいやふゆのほし(平和賞(不言題)・冬の星)

[39]:我が為に贖ふ詩集聖夜かな
わがためにあがなうししゅうせいやかな(聖夜・聖夜)

[40]:アッシジの山に賛歌の冬日影
アッシジのやまにさんかのふゆひかげ(冬日・)

[41]:ムスリムの母子と祝う聖夜かな
ムスリムのははこといわうせいやかな(聖夜・)

[42]:医者いらずあれこれいはず冬日向
医者いらずあれこれ言わず冬日向(冬日・冬日向)



選句一覧 丹仙 - 2024/12/30(Mon) 07:08 No.2481   HomePage

春愁

天の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
"の"の連なりが、却って長きを"待つ"感覚に・・・

地の句:[29]冬日向籠となる竹削りをり
冬日のなか、ゆったりと時が流れる

人の句:[37]道長とまひろの月も聖夜かな
タイムリー

素人

天の句:[33]平和の声届かぬ民や冬ざるる
いつ戦争は終わるのだろう

地の句:[4]穏やかな冬日や父母の忌に集ふ
遺影の笑みに少し癒され

人の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
鍵を忘れて家に入れず

寿美子

天の句:[2]祈るために手のひらはあり冬の月
お互いを思いやる祈りでありますように

地の句:[39]我が為に贖ふ詩集聖夜かな
そんな聖夜の喜びも hozannna 

人の句:[42]医者いらずあれこれいはず冬日向
そのうえお喋りできる仲間があれば長生きできますね

しゐ

天の句:[12]寒空のトーチパレードオスロ燃ゆ
トーチの炎の色と白い息、人々の表情がとても印象的な夜でした。

地の句:[27]冬の日を余すことなく浴びて鳥
冬の日差しが、小さな鳥の一点に集まっているように感じられます。

人の句:[9]杵を持つ孫の手震え冬日さす
小さなお孫さんが全身で杵を持ち上げる姿がリアルに目に浮かびます。餅つきができる家で育まれるものの豊さが想像されて、幸せな気持ちになりました。

実生

天の句:[10]胸中の奥へ冬日の届かざる
何があったの。?

地の句:[3]遅すぎた春ではあれど被団協
重いお話だった。

人の句:[37]道長とまひろの月も聖夜かな
セリフ、背景、色々と深い思いが表現されていて。

白馬

天の句:[16]鶴群れて核無き宙へ飛び立てり
何国でしょうか? 皆の願い。

地の句:[5]介護士へ微笑み返す聖夜かな
患者さんの笑顔が嬉しい。

人の句:[28]冬日燦不定愁訴かロダン像
ロダンは愁い顔----。

ぽぽな

天の句:[5]介護士へ微笑み返す聖夜かな
介護士の微笑みに、微笑みで答えているのですね。
感謝に満ちた関係が見えてきます。日頃からする行為かもしれませんが、聖夜の微笑みは、個人の行為を超えた、普遍の力、慈愛そのものとなります。

地の句:[29]冬日向籠となる竹削りをり
竹の含水量が低くなる冬は工芸に最適ということです。職人の集中力がみなぎる静かな時間が素敵です。

人の句:[38]若き等に託す願ひや冬の星
語り継ぐべきことは語り継がれてゆくと思います。冬の星に希望を見ました。

翔河川

天の句:[29]冬日向籠となる竹削りをり
縁側でしょうか

地の句:[27]冬の日を余すことなく浴びて鳥
ふくれどりか

人の句:[17]てくてくと聖夜の灯り月ひとつ
寒い夜道で

秋童子

天の句:[10]胸中の奥へ冬日の届かざる
冬の日差しでは、この塞ぐ思いはなかなか晴れません。

地の句:[22]人々の祈りの重く聖夜更く
国内外では不条理なことがたくさん起きているのに、何もできない無力感。人々はただ祈るのみです。

人の句:[38]若き等に託す願ひや冬の星
受賞演説は核兵器廃絶の取り組みを、世界の若者たちに託す願いも込められていました。

ヨアヒム

天の句:[15]聖夜とて街はひっそり寝静まる
 ドイツの小さな街で3年間暮らした当時の情景を想い出します。

地の句:[5]介護士へ微笑み返す聖夜かな
 仕事とはいえ、アタマが下がります。

人の句:[11]午後三時気配の変わる冬日かな
 暖冬とはいえ、詠まれた通り、空気感が変わりますネ。

素蘭

天の句:[40]アッシジの山に賛歌の冬日影
1997年の地震で大きな被害を受けたアッシジのサン・フランチェスコ聖堂
細心の修復作業を経て2000年に世界遺産登録
冬日を浴び鳥は囀る
大地の讃歌

地の句:[12]寒空のトーチパレードオスロ燃ゆ
象徴的な光景でした。

人の句:[14]聖樹の灯ティファニーブルーの小筐解く
ブルーもレッドもホワイトも…掌サイズのトキメキ♪

明子

天の句:[1]いくつもの夜をたくわえ冬日差す
夜をたくわえる、という発想に惹かれました。確かに冬という
季節は夜の存在感が強い気がします。

地の句:[8]寒月や金平糖の角の数
金平糖の角は核廃絶を願う人達の象徴でしょうか。

人の句:[41]ムスリムの母子と祝う聖夜かな
人種も立場もすべて乗り越えて、心から祈る聖夜であってほしいと
願います。

風子

天の句:[18]手作りが織り成す妻の聖夜かな
家族のために三日三晩の準備をして聖夜を迎える妻に感謝の念。口にはださねど無口な夫は心から感謝している。

地の句:[21]反核の願ひ輝け寒北斗
反核の情熱が消えかかる頃、息を吹き返したような輝きを放つ寒北斗。まさに。

人の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
寒々とした光景。母のいない家は灯火のない暗闇。鍵っ子は今もどこかに。

丹仙

天の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
情景が目に見えるように浮かぶ文句なしの秀句です。

地の句:[8]寒月や金平糖の角の数
金平糖の角の数は、36という不思議な数であるとか。寒月からの飛躍が面白い。もっともなぜ平和賞の不言題となるのかよくはわからないのですが、イグ・ノーベル平和賞を差し上げたい。

人の句:[2]祈るために手のひらはあり冬の月
第九交響曲の最後の合唱が聴こえてきました。高き天空のかなたにいます父に祈るために、この手のひらが造られたのかもしれません。


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