桃李談話室
[ホーム] [注意] [検索] [過去ログ] [管理] [連歌俳諧論] [歌仙の部屋] [和歌連作] [桃李写真館]
おなまえ
Eメール
タイトル
コメント
URL
添付File
暗証キー (英数字で8文字以内)
文字色

桃李7月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/07/15(Mon) 10:15 No.2461   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 虹
兼題U 片陰
兼題V 空蝉

7月15日(月)投句開始
7月22日(月)投句締切 翌日選句開始
7月29日(月)選句締切 
7月30日(火)披講  

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。  



選句をお願いします 丹仙 - 2024/07/23(Tue) 08:05 No.2462   HomePage

投句一覧

投句者:春愁、素蘭、風子、寿美子、しゐ、素人、白馬、翔河川、ヨアヒム、明子、秋童子、実生、丹仙

[1]:朝早くもぬけの殻にあわれみを
あさはやくもぬけのからにあわれみを(空蝉・[殻だけ残して])

[2]:渥美より鳥羽へ大きな虹の橋
あつみよりとばへおおきなにじのはし(虹・虹)

[3]:一枚の葉裏に三つ蝉の殻
いちまいのはうらにみっつせみのから(空蝉・蝉の殻)

[4]:入日影切れ切れの虹作りたる
いりひかげきれぎれのにじつくりたる(虹・虹)

[5]:空蝉とう小部屋に夜気の残りをり
うつせみとうこべやにやきののこりおり(空蝉・空蝉)

[6]:空蝉の影も形も無かりけり
うつせみのかげもかたちもなかりけり(空蝉・)

[7]:空蝉の数ほど木々に児らの顔
うつせみのかずほどきぎにこらのかお(空蝉・空蝉)

[8]:空蝉の背なの割れ目を覗き込む
うつせみのせなのわれめをのぞきこむ(空蝉・空蝉)

[9]:空蝉の主なきあとのその軽さ
うつせみのぬしなきあとのそのかるさ(空蝉・)

[10]:空蝉や明日をも知れぬ生命かな
うつせみやあすをもしれぬいのちかな(空蝉・空蝉)

[11]:うつせみや天草一揆隠る堀
うつせみやあまくさいっきこもるほり(空蝉・)

[12]:空蝉や命かけたる眼の光
うつせみやいのちかけたるめのひかり(空蝉・空蝉)

[13]:空蝉をとをも集めて罐の中
うつせみをとおもあつめてかんのなか(空蝉・空蝉)

[14]:傘さしてなほ片蔭を歩みけり
かささしてなおかたかげをあゆみけり(片陰・片蔭)

[15]:片陰に先客の居て通り過ぐ
かたかげにせんきゃくのいてとおりすぐ(片陰・片陰)

[16]:片陰のあらず畑で草を採る
かたかげのあらずはたけでくさをとる(片陰・炎天下)

[17]:片陰の陰弱くする反射光
かたかげのかげよわくするはんしゃこう(片陰・)

[18]:片陰のほとんど消えて街真昼
かたかげのほとんどきえてまちまひる(片陰・片陰)

[19]:片影や傍に遺る駒つなぎ
かたかげやかたえにのこるこまつなぎ(片陰・片影)

[20]:片陰を息絶え絶えの家路かな
かたかげをいきたえだえのいえじかな(片陰・片陰)

[21]:片影を出る一歩の怯みをり
かたかげをいづるいっぽのひるみをり(片陰・片陰)

[22]:片影を探す真昼の大都会
かたかげをさがすまひるのだいとかい(片陰・)

[23]:片陰を伝う子猫の尻尾かな
かたかげをつたうこねこのしっぽかな(片陰・)

[24]:街路樹の片陰たどる午後の街
がいろじゅのかたかげたどるごごのまち(片陰・片陰)

[25]:伐らるるを知らぬ並木の片陰り
きらるるをしらぬなみきのかたかげり(片陰・片陰り)

[26]:この虹を見せんがための嵐かな
このにじをみせんがためのあらしかな(虹・虹)

[27]:精霊の耀き空蝉の静けさ
せいれいのかがやきうつせみのしずけさ(空蝉・)

[28]:土砂降りの町をぬけ来て二重虹
どしゃぶりのまちをぬけきてふたえにじ(虹・二重虹)

[29]:虹かかる島と島をば結ぶ橋
にじかかるしまとしまとをむすぶはし(虹・虹)

[30]:虹の足見たく走りし幼き日
にじのあしみたくはしりしおさなきひ(虹・虹)

[31]:虹のない期待もできず世相なり
にじのないきたいもできずせそうなり(虹・ドジャブリ)

[32]:虹の橋わたれば逢えるかも知れず
にじのはしわたればあえるかもしれず(虹・)

[33]:半輪の虹立つ海の蒼さかな
はんりんのにじたつうみのあおさかな(虹・虹)

[34]:人絶ゆる嵐が丘に虹の橋
ひとたゆるあらしがおかにひじのはし(虹・虹[北イングランドのハワースを訪れた際の想い出])

[35]:山近し虹半円に西の空
やまちかしにじはんえんににしのそら(虹・)

[36]:世に未練秋の空蝉爪深く
よにみれんあきのうつせみつめふかく(空蝉・秋の空蝉)

[37]:ヘルモンの白き岩肌虹立ちぬ
ヘルモンのしろきいわはだにじたちぬ(虹・)

[38]:ベテスダの池の片陰水動く
ベテスダのいけのかたかげみずうごく(片陰・)




選句一覧 丹仙 - 2024/07/31(Wed) 10:21 No.2463   HomePage

春愁

天の句:[12]空蝉や命かけたる眼の光
空蝉にのこる眼光の鋭さ、生まれ出た生命力を上手く表している

地の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり
共感!!

人の句:[29]虹かかる島と島をば結ぶ橋
見たいですね

寿美子

天の句:[32]虹の橋わたれば逢えるかも知れず
追慕の思い切なく共鳴

地の句:[19]片影や傍に遺る駒つなぎ
古びた宿場町を吟行
片影を伝って歩いた日がありました

人の句:[22]片影を探す真昼の大都会
殺人的な酷暑の昨日 今日
これより先が思いやられます

素人

天の句:[28]土砂降りの町をぬけ来て二重虹
車を止めてしばし見入るや

地の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり
今日の会合キャンセルするか

人の句:[3]一枚の葉裏に三つ蝉の殻
競争の世をくぐり抜けねば

しゐ

天の句:[13]空蝉をとをも集めて罐の中
もう空っぽなのに、なぜか見つけるたびに心躍るものの一つ。

地の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり
エイっと日向に飛び出して早く帰りたい気持ちと、いつまでも日陰を味わっていたい気持ちと。

人の句:[15]片陰に先客の居て通り過ぐ
木漏れ日の中の小さなベンチを想像しました。

秋童子

天の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり
怯んで踏み出せない一歩。いかに暑い日盛りなのかが伝わってきます。

地の句:[28]土砂降りの町をぬけ来て二重虹
まだ雨が滴り落ちているような。生まれたての二重虹。

人の句:[15]片陰に先客の居て通り過ぐ
さりげなく遠慮して。白黒写真を見るような夏のひとコマです。

白馬

天の句:[12]空蝉や命かけたる眼の光
ご主人の身を思って。

地の句:[32]虹の橋わたれば逢えるかも知れず
今は遠い人

人の句:[14]傘さしてなほ片蔭を歩みけり
暑さ+暑さ

素蘭

天の句:[37]ヘルモンの白き岩肌虹立ちぬ
大地を潤す水源の地アンチレバノン山脈の最高峰。
私見ですが、グラナダ郊外から眺めたシェラネバダ山脈に似てるような…

地の句:[2]渥美より鳥羽へ大きな虹の橋
石垣島で見事に半分だけのアーチを描く大きな虹を見たことがありますが、それはさておき、海にかかる虹には鮮やかで大きなものが多いような、、、

人の句:[15]片陰に先客の居て通り過ぐ
風通しの良い木陰のベンチ、一休みしたかったけど、、、

実生

天の句:[36]世に未練秋の空蝉爪深く
すすきの葉にゆらゆらしがみ付いて。

地の句:[30]虹の足見たく走りし幼き日
確かに足が見えなくて。消えそうなので走ったり。

人の句:[23]片陰を伝う子猫の尻尾かな
夕方になると隣の家から涼しいところ選んで。隣人は無事帰れるか心配して庭に降りるまで
見てくれていた。老猫だったけど。

翔河川

天の句:[15]片陰に先客の居て通り過ぐ
入るのがためらわれ

地の句:[23]片陰を伝う子猫の尻尾かな
チョロチョロと

人の句:[32]虹の橋わたれば逢えるかも知れず
なつかしいひとに

明子

天の句:[28]土砂降りの町をぬけ来て二重虹
ドラマチックな展開です。虹を仰ぐ嬉しさが伝わります。

地の句:[23]片陰を伝う子猫の尻尾かな
猫だって暑いのは嫌ですものね。尻尾の動きがかわいいです。

人の句:[5]空蝉とう小部屋に夜気の残りをり
命の名残でもありますね。

風子

天の句:[12]空蝉や命かけたる眼の光
蝉が生まれるのを見た。背を割って精霊のような薄緑の蝉がじわじわと生まれる。掲句は空蝉に眼光を感じている。生まれた蝉の眼は黒々として大きい。手足を泳がせて欅の幹に着地?するところは感動的だ。生まれたての蝉は力強く上へ上へと登っていった。

地の句:[28]土砂降りの町をぬけ来て二重虹
トスカーナの田舎をドライブしていた時のこと。完璧な虹を見た。二重虹ではなかったけれど印象深い思い出となった。

人の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり
やっと汗がひいた頃、さて出発するかと一歩の勇気がいりますね。

ヨアヒム

天の句:[30]虹の足見たく走りし幼き日
私もまた、虹の足に辿り着きたいと思っていました。

地の句:[14]傘さしてなほ片蔭を歩みけり
 気持ち、分かる❗️

人の句:[25]伐らるるを知らぬ並木の片陰り
「知らぬ」は、人間も同じ。

丹仙

天の句:[21]片影を出る一歩の怯みをり
最近の異常な酷暑が背景にありますね。

地の句:[12]空蝉や命かけたる眼の光
蝉の抜殻ではなく、まさに脱皮しつつある情景を詠んだところに惹かれました。

人の句:[14]傘さしてなほ片蔭を歩みけり
猛暑を詠んだ巧みな句。




桃李6月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/06/14(Fri) 19:55 No.2458   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 蛍
兼題U 短夜
兼題V 紫陽花

6月15日(土)投句開始
6月22日(土)投句締切 翌日選句開始
6月29日(土)選句締切 
6月30日(日)披講 

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。  



選句をお願いします 丹仙 - 2024/06/23(Sun) 14:16 No.2459   HomePage

投句一覧

投句者:寿美子、春愁、白馬、風子、素蘭、素人、しゐ、実生、秋童子、明子、翔河川、ヨアヒム、丹仙

[1]:青き眼の神父蛍をまた放つ
あおきめのしんぷほたるをまたはなつ(蛍・)

[2]:明易き時の祈りよザカリアの歌
あけやすきときのいのりよザカリアのうた(短夜・明易し)

[3]:明易の新聞配るバイク音
あけやすのしんぶんくばるばいくおん(短夜・明易)

[4]:朝夕の水にご機嫌七変化
あさゆうのみずにごきげんななへんげ(紫陽花・七変化)

[5]:紫陽花の雨に好かれてしどけなく
あじさいのあめにうたれてしどけなく(紫陽花・)

[6]:紫陽花の色鮮やかに雨に濡れ
あじさいのいろあざやかにあめにぬれ(紫陽花・紫陽花)

[7]:紫陽花の路地を巧みにピザバイク
あじさいのろじをたくみにピザバイク(紫陽花・紫陽花)

[8]:紫陽花や友亡き今宵苦期酒
あじさいやともなきこよいにがきさけ(紫陽花・紫陽花)

[9]:紫陽花や猫の束縛強い朝
あじさいやねこのそくばくつよいあさ(紫陽花・)

[10]:紫陽花や明月院へ渋滞中
あじさいやめいげついんへじゅうたいちゅう(紫陽花・紫陽花)

[11]:紫陽花やリスボンの海なつかしき
あじさいやリスボンのうみなつかしき(紫陽花・)

[12]:安曇野に住まいし祖父母蛍の夜
あずみのにすまいしそふぼほたるのよ(蛍・蛍)

[13]:洗ひ場の跡に蛍の飛びにけり
あらいばのあとにほたるのとびにけり(蛍・蛍)

[14]:一身に闇引き寄せて蛍飛ぶ
いっしんにやみひきよせてほたるとぶ(蛍・蛍)

[15]:地球とふ天河の貴石濃紫陽花
がいあとうてんがのきせきこあじさい(紫陽花・濃紫陽花)

[16]:額紫陽花ちょっと違ってちょっといい
がくあじさいちょっとちがってちょっといい(紫陽花・夏)

[17]:濃紫陽花見え隠れする過ぎし夢
こあじさいみえかくれするすぎしゆめ(紫陽花・)

[18]:心痛み眠れぬままの短夜かな
こころいたみねむれぬままのたんやかな(短夜・短夜)

[19]:漆黒の闇に希望の蛍かな
しっこくのやみにきぼうのほたるかな(蛍・蛍)

[20]:すりガラス映る紫陽花踊っている
すりがらすうつるあじさいおどっている(紫陽花・梅雨)

[21]:清少納言初ほうたるに筆はたと  
せいしょうなごんはつほうたるにふではたと  (蛍・初ほうたる)

[22]:涙貌想いださせる蛍の灯
なみだがおおもいださせるほたるのひ(蛍・)

[23]:短夜や校正作業きりもなし
にじかよやこうせいさぎょうきりもなし(短夜・短夜)

[24]:柞葉の帚弓手に夏至祭
ははそばのははきゆんでにげしまつり(夏至)

[25]:蛍追ふ認知の母のあとを追ふ
ほたるおうにんちのははのあとをおう(蛍・蛍)

[26]:蛍篭残してみんな失せにけり
ほたるかごのこしてみんなうせにけり(蛍・蛍篭)

[27]:蛍とぶ短き春の衣替え
ほたるとぶみじかきはるのころもがえ(蛍・衣替え)

[28]:蛍の点滅シナプスの伝達
ほたるのてんめつシナプスのでんたつ(蛍・夏)

[29]:短夜のながくて深い息ふたつ
みじかよのながくてふかいいきふたつ(短夜・夏)

[30]:短夜や厨の氷生るる音
みじかよやくりやのこおりあるるおと(短夜・短夜)

[31]:短夜や呑んでふと見りや外は朝
みじかよやのんでふとみりゃそとはあさ(短夜・短夜)

[32]:短夜や夢を二度見る時間割
みじかよやゆめをにどみるじかんわり(短夜・)

[33]:短夜を早駆けに過ぐ月白く
みじかよをはやがけにすぐつきしろく(短夜・短夜)

[34]:短夜や水音絶えぬ木曽の宿
みぢかよやみずおとたえぬきそのやど(短夜・短夜)

[35]:武蔵野に湧水多し額の花
むさしのにゆうすいおおしがくのはな(紫陽花・額の花)

[36]:もののふの耶蘇のクルスや蛍飛ぶ
もののふのやそのくるすやほたるとぶ(蛍・蛍)

[37]:山紫陽花祖眠る村の遥かなる
やまあじさいおやねむるむらのはるかなる(紫陽花・山紫陽花)

[38]:夜更かしに短夜はみじめ朝が来た
よふかしにたんやはみじめあさがきた(短夜・)



選句一覧 丹仙 - 2024/06/30(Sun) 07:38 No.2460   HomePage

白馬

天の句:[15]地球とふ天河の貴石濃紫陽花
濃紫陽花の最大限の激賞。同感です。

地の句:[25]蛍追ふ認知の母のあとを追ふ
御母堂と蛍、そして作者。悲しくも優しい心。

人の句:[12]安曇野に住まいし祖父母蛍の夜
蛍。そして望郷。

しゐ

天の句:[15]地球とふ天河の貴石濃紫陽花
地球が紫陽花のサイズに、紫陽花が地球のサイズに見えてきて、自分の居場所を見失いそうになる不思議な句。

地の句:[28]蛍の点滅シナプスの伝達
あの点滅がシナプスの伝達だったとは。すごい発見。

人の句:[30]短夜や厨の氷生るる音
短いながらも一番深い闇に包まれる時刻に響く音。「氷生るる音」がとても神秘的に思えます。

素蘭

天の句:[35]武蔵野に湧水多し額の花
清冽な湧水、めぐりに咲く額の花、武蔵野の情趣を今にとどめて

地の句:[11]紫陽花やリスボンの海なつかしき
日本原産ながら世界中で愛好される紫陽花
リスボン沖に浮かぶアソーレス諸島の紫陽花は殊に有名とか

人の句:[25]蛍追ふ認知の母のあとを追ふ
童心に帰ったような母上、見守る立場の逆転が切ない、、、

素人

天の句:[19]漆黒の闇に希望の蛍かな
点滅にある命の重み

地の句:[14]一身に闇引き寄せて蛍飛ぶ
おいてゆくなよこの世に未練

人の句:[7]紫陽花の路地を巧みにピザバイク
時間通りに届にゃならぬ

風子

天の句:[35]武蔵野に湧水多し額の花
地名の効果、水と紫陽花は深い仲。うまく絡み合って全体に格調が生まれた。

地の句:[13]洗ひ場の跡に蛍の飛びにけり
慣れ親しんだ田舎の生活を彷彿させる一句。

人の句:[30]短夜や厨の氷生るる音
身近な体験、今も聞いたその音。眠れぬ夜のそばだつ音。

ヨアヒム

天の句:[14]一身に闇引き寄せて蛍飛ぶ
「闇」と蛍の対比が上手い。

地の句:[15]地球とふ天河の貴石濃紫陽花
スケールがある。

人の句:[32]短夜や夢を二度見る時間割
「老い」を生きるのは大変。

翔河川

天の句:[14 ]一身に闇引き寄せて蛍飛ぶ
自分の光が際立つよう

地の句:[33]短夜を早駆けに過ぐ月白く
すぐに朝すぐに朝になり

人の句:[30]短夜や厨の氷生るる音
冷蔵庫から

実生

天の句:[14]一身に闇引き寄せて蛍飛ぶ
平家蛍だろうなぁ。闇引き寄せてに惹かれる。

地の句:[5]紫陽花の雨に好かれてしどけなく
しどけなくけど風にぶらんぶらん。

人の句:[3]明易の新聞配るバイク音
寝なくちゃ。と焦ってしまう。

秋童子

天の句:[25]蛍追ふ認知の母のあとを追ふ
童心に返ってしまった母を追う自分。ああ、昔は逆だったのに。

地の句:[30]短夜や厨の氷生るる音
「氷生るる音」が、この季語にとてもよく合っていると受け止めました。

人の句:[18]心痛み眠れぬままの短夜かな
実感があります。短い夜はあっという間に明けてしまって。

明子

天の句:[23]短夜や校正作業きりもなし
実感がこもっています。

地の句:[28]蛍の点滅シナプスの伝達
蛍の点滅は命の点滅ですね。

人の句:[26]蛍篭残してみんな失せにけり
ぽつんと残った籠が、寂しさをより強く感じさせます。

丹仙

天の句:[15]地球とふ天河の貴石濃紫陽花
濃紫陽花→地球→天河へと、小宇宙から大宇宙へと拡大、そしてまた眼前の貴石のような濃紫陽花へと縮小する宇宙、その神秘的照応が素晴らしい。

地の句:[37]山紫陽花祖眠る村の遥かなる
「遙かなる」という言葉が、目に見える山紫陽花から、悠久な過去へと連なる時間を感じさせます。

人の句:[36]もののふの耶蘇のクルスや蛍飛ぶ
「もののふの耶蘇」ということばから、小西行長や高山右近のようなキリシタン大名の姿が浮かびますね。「桃李福音歳時記」を私が編むとすれば、かならず夏の句の秀句に入れるでしょう。



桃李5月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/05/14(Tue) 18:54 No.2455   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 五月
兼題U 新樹
兼題V 飛魚

5月15日(水)投句開始
5月22日(水)投句締切 翌日選句開始
5月29日(水)選句締切 
5月30日(木)披講   

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。 



選句をお願いします 丹仙 - 2024/05/23(Thu) 08:23 No.2456   HomePage

投句一覧

投句者:白馬、寿美子、春愁、しゐ、素蘭、秋童子、風子、実生、素人、翔河川、明子、丹仙

[1]:閼伽桶の水たぷたぷと新樹光
あかおけのみずたぷたぷとしんじゅこう(新樹・新樹光)

[2]:飛魚とぶやフェリーの窓に三宅島
あごとぶやふぇりーのまどにみやけじま(飛魚・飛魚)

[3]:あの歌よあの革命よパリ五月
あのうたよあのかくめいよぱりごがつ(五月・五月)

[4]:幾千の鳥歌わせて新樹揺る
いくせんのとりうたわせてしんじゅゆる(新樹・新樹)

[5]:枝ぐんと天に拡げて新樹かな
えだぐんとてんにひろげてしんじゅかな(新樹・新樹)

[6]:風五月大河に沿いてペダル漕ぐ
かぜごがつたいがにそいてペダルこぐ(五月・)

[7]:活気づく五月コンテナヤードかな
かっきづくごがつこんてなやーどかな(五月・五月)

[8]:競馬場ダービー馬走り新樹かな
けいばじょうだーひーばはしりしんじゅかな(新樹・ダービー)

[9]:下校の子新樹並木に手話弾む
げこうのこしんじゅなみきにしゅわはずむ(新樹・新樹)

[10]:小面の口元ゆるぶ新樹光
こおもてのくちもとゆるぶしんじゅこう(新樹・新樹光)

[11]:五月晴れ黄色のボール軽く投げ
ごがつばれきいろのぼーるかるくなげ(五月・)

[12]:五月巴里楕円のFとF´
ごがつぱりだえんのえふとえふだっしゅ(五月・五月)

[13]:五月闇酸素マスクを拒みをり
ごがつやみさんそますくえおこばみをり(五月・五月)

[14]:五月晴れ畑の草に草熱れ
さつきはれはたけのくさにくさいきれ(五月・草いきれ)

[15]:五月闇猫たんたんと爪を研ぎ
さつきやみねこたんたんとつめおとぎ(五月・五月闇)

[16]:ザカリヤの讃歌に息吹く新樹かな
ざかりやのさんかにいぶくしんじゅかな(新樹・)

[17]:新樹どちそらみつ大和言の葉よ
しんじゅどちそらみつやまとことのはよ(新樹・新樹)

[18]:魂の解き放されて新樹光
たましいのときはなされてしんじゅこう(新樹・新樹)

[19]:地の面新たになりぬ聖五月
ちのおもてあらたになりぬせいごがつ(五月・)

[20]:飛魚よおもい切りとべ鳥になれ
とびうおうおよおもいきりとべ鳥になれ(飛魚・飛魚)

[21]:飛魚と書かれてる出汁姿見えず
とびうおとかかれてるだしすがたみえず(飛魚・干しあご)

[22]:飛魚のおのれ忘れて空の旅
とびうおのおのれわすれてそらのたび(飛魚・飛魚)

[23]:飛魚のとんで輝く沖の島
とびうおのとんでかがやくおきのしま(飛魚・飛魚)

[24]:飛魚の羽大海に輝きて
とびうおのはねたいかいにかがやきて(飛魚・)

[25]:飛魚のひとっとびして消へ失せり
とびうおのひとっとびしてきえうせり(飛魚・飛魚)

[26]:飛魚の舞込む舟や聖母像
とびうおのまいこむふねやせいぼぞう(飛魚・)

[27]:飛魚翔ぶ群青世界恣
とびおとぶぐんじょうせかいほしいまま(飛魚・飛魚)

[28]:寝てもまた覚めても五月の中にあり
ねてもまたさめてもごがつのなかにあり(五月・五月)

[29]:花みかん亡姑に呼び止められしかと
はなみかんははによびとめられしかと(花みかん)

[30]:一枝も一山もみな新樹かな
ひとえだもひとやまもみなしんじゅかな(新樹・)

[31]:日に日にと色重ね行く新樹かな
ひにひにといろかさねゆくしんじゅかな(新樹・新樹)

[32]:目も耳も嬉し五月の森行けば
めもみみもうれしごがつのもりゆけば(五月・五月)

[33]:山深しいずれ大樹となる新樹
やまふかしいずれたいじゅとなるしんじゅ(新樹・)

[34]:夜の新樹写経の筆の遅々として
よのしんじゅしゃきょうのふでのちちとして(新樹・新樹)

[35]:若き日の飛魚士官せし兄追うて
わかきひのあごしかんせしあにおうて(飛魚・飛魚)

[36]:ベビーカーによきと児の足聖五月
ベビーカーによきとこのあしせいごがつ(五月・聖五月)



選句一覧 丹仙 - 2024/05/30(Thu) 17:05 No.2457   HomePage

素人

天の句:[6]風五月大河に沿いてペダル漕ぐ
多摩川の川崎側を河口まで走ってみました。芦原が広がって葦切りが盛んに鳴きかわしていました。

地の句:[2]飛魚とぶやフェリーの窓に三宅島
愉しい小旅行となる予感。

人の句:[32]目も耳も嬉し五月の森行けば
素直にそう思います。

春愁

天の句:[34]夜の新樹写経の筆の遅々として
写経ですか、爽やか過ぎて進まぬ筆。Me to!!

地の句:[1]閼伽桶の水たぷたぷと新樹光
若葉の瑞々しさが伝わる

人の句:[31]日に日にと色重ね行く新樹かな
今が一番いい季節

寿美子

天の句:[6]風五月大河に沿いてペダル漕ぐ
自転車を新車に乗り換えました。
 同感 爽快感を満喫しています

地の句:[27]飛魚翔ぶ群青世界恣
飛魚になった気分 海の青さが迫ります
下五 ほしひまま はいかがでしょうか。

人の句:[16]ザカリヤの讃歌に息吹く新樹かな
ベネディクトゥス ガザにも新樹が芽吹きます様に

風子

天の句:[32]目も耳も嬉し五月の森行けば
五月は一年中で一番好きな月です。私の誕生日があることも一因ですが。。。

地の句:[23]飛魚のとんで輝く沖の島
沖の島が「お!」とびっくり輝いて見えた。ファンタジーが面白い。

人の句:[1]閼伽桶の水たぷたぷと新樹光
仏に供える閼伽水をくみ入れて持ち運ぶための手桶。普通銅製で、径、高さとも一〇センチメートルぐらいの円筒形で弦(つる)をつける。グーグルから調べた。それを踏まえて新樹光。取り合わせの妙。

実生

天の句:[15]五月闇猫たんたんと爪を研ぎ
猫ほしい。いなくなってもう直ぐ1年。寂しい。

地の句:[18]魂の解き放されて新樹光
そうか森に行こう。

人の句:[22]飛魚のおのれ忘れて空の旅
飛魚てかわいそう。

翔河川

天の句:[04]幾千の鳥歌わせて新樹揺る
鳥の大合唱

地の句:[28]寝てもまた覚めても五月の中にあり
気持ちの良い季節

人の句:[29]花みかん亡姑に呼び止められしかと
気配が

秋童子

天の句:[30]一枝も一山もみな新樹かな
野にも山にも瑞々しい緑があふれて。目が覚めるような季節です。

地の句:[4]幾千の鳥歌わせて新樹揺る
明るい木漏れ日に、鳥たちも喜んでいることでしょう。

人の句:[32]目も耳も嬉し五月の森行けば
見ても、聴いても、匂っても新鮮で。五月の森は本当に心が弾みます。

素蘭

天の句:[10]小面の口元ゆるぶ新樹光
新樹光に照る面、高揚というより恍惚。。。

地の句:[35]若き日の飛魚士官せし兄追うて
群青の海、矢庭に滑空する飛魚、トルネードする鰯・バラクーダ…

人の句:[6]風五月大河に沿いてペダル漕ぐ
風薫る五月、堤防道路を颯爽と。

白馬

天の句:[20]飛魚よおもい切りとべ鳥になれ
おおらかな句ですね。中7が良いですね。

地の句:[4]幾千の鳥歌わせて新樹揺る
新樹が一本ならば、豪快な句ですね。

人の句:[15]五月闇猫たんたんと爪を研ぎ
恐ろし気な---。

しゐ

天の句:[9]下校の子新樹並木に手話弾む
特別に美しい言語が、輝くような緑の中で交わされている。

地の句:[1]閼伽桶の水たぷたぷと新樹光
神聖な水と新樹のきらめきが、読む者の心身をも浄めてくれる気がしました。

人の句:[33]山深しいずれ大樹となる新樹
希望を感じます。

明子

天の句:[36]ベビーカーによきと児の足聖五月
まるまるとした元気一杯の幼子の足。五月に相応しいと感じます。

地の句:[34]夜の新樹写経の筆の遅々として
思う事が多く、手がついつい止まってしまう。夜の新樹、が言葉にならない
感覚を伝えているように思います。

人の句:[25]飛魚のひとっとびして消へ失せり
飛魚のスピード感、勢いを感じさせます。

丹仙

天の句:[27]飛魚翔ぶ群青世界恣
群青の世界を恣に飛び跳ねる飛び魚のこころに惹かれました。

地の句:[1]閼伽桶の水たぷたぷと新樹光
静かな光の中で、閼伽桶の水の揺らぎが聞こえてくるようです。

人の句:[6]風五月大河に沿いてペダル漕ぐ
まことに気持ちの良い句ですね。



桃李4月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/04/14(Sun) 09:08 No.2452   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 春暁
兼題U 囀り
兼題V 花曇

4月15日(月)投句開始
4月22日(月)投句締切 翌日選句開始
4月29日(月)選句締切 
4月30日(火)披講  

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。 



選句をお願いします 丹仙 - 2024/04/24(Wed) 07:57 No.2453  

投句一覧

投句者:春愁、しゐ、寿美子、白馬、秋童子、素蘭、風子、実生、翔河川、丹仙、明子、ヨアヒム

[1]:うぐいすの藪のさえずり姿観て
うぐいすのやぶのさえずりすがたみて(囀り・[チッチからホーホケキョ])

[2]:うわ言に打つ相づちや花曇
うわごとにうつあいづちやはなぐもり(花曇・花曇)

[3]:Xデー知らぬ予報士養花天
えっくすでーしらぬよほうしはなぐもり(花曇・養花天)

[4]:黄砂雲黄色で覆う山景色
おうさくもきいろでおおうやまけしき(花曇・[黄砂])

[5]:をちこちの雨戸開く音春の朝
おちこちのあまどあくおとはるのあさ(春暁・春の朝)

[6]:懐疑するトマスを想ふ花曇
かいぎするトマスをおもふはなぐもり(花曇・)

[7]:語り騙りAIアプリ囀れり
かたりかたりえいあいあぷりさえずれり(囀り・囀れり)

[8]:暁闇の声明に和す春鴉
ぎょうあんのしょうみょうにわすはるからす(春暁・春鴉)

[9]:ここかしこ囀りの音森の午後
ここかしこさえずりのおともりのごご(囀り・囀り)

[10]:囀に囲まれゐたる美術館
さえずりにかこまれいたるびじゅつかん(囀り・囀)

[11]:囀りの真ん中に居て孤独なる
さえずりのまんなかにいてこどくなる(囀り・囀り)

[12]:囀りの湧く一点や空青し
さえずりのわくいってんやそらあおし(囀り・)

[13]:囀りは透明な鳥すがたなく
さえずりはずりはとうめいなとりすがたなく(囀り・)

[14]:囀りや今朝は混声合唱団
さえずりやけさはこんせいがっしょうだん(囀り・囀り)

[15]:囀りや弥勒菩薩の指の先
さえずりやみろくぼさつのゆびのさき(囀り・囀り)

[16]:囀やフランシスコの鐘の供
さえずりやフランシスコのかねのとも(囀り・)

[17]:囀りを右に左に木曽路ゆく
さえずりをみぎにひだりにきそじゆく(囀り・囀り)

[18]:春曙に妻と訪れダム湖のあお
しゅんぎょうにつまとおとずれだむこのあお(春暁・[40年後のダム])

[19]:春暁の夫に繋がる糸電話
しゅんぎょうのつまにつながるいとでんわ(春暁・春暁)

[20]:春暁の電線越しにあかね雲
しゅんぎょうのでんせんごしにあかねぐも(春暁・)

[21]:春暁や静寂に坐す円覚寺
しゅんぎょうやせいじゃくにざすえんかくじ(春暁・春暁)

[22]:春暁や寝覚めの少し早まりて
しゅんぎょうやねざめのすこしはやまりて(春暁・春暁)

[23]:春暁や白衣身につけ弥撒答へ
しゅんぎょうやびゃくいみにつけミサこたへ(春暁・)

[24]:春暁や古き二階の窓の枠
しゅんぎょうやふるきにかいのまどのわく(春暁・)

[25]:診察券また一つ増え花曇
しんさつけんまたひとつふえはなぐもり(花曇・花曇)

[26]:鳥交る題名のなきコンサート
とりさかるだいめいのなきコンサート(囀り・鳥交る)

[27]:野も山もボカシをかけて花曇り
のもやまもぼかしをかけてはけてはなぐもり(花曇・)

[28]:花曇メトロノームの不整脈
はなくもりメトロノームのふせいみゃく(花曇・花曇)

[29]:花曇肩寄せしっとり手を取りて
はなぐもりかたよせせしっとりてをとりて(花曇・)

[30]:花曇こころはいつも好青年
はなぐもりこころはいつもこうせいねん(花曇・花曇)

[31]:花曇り召天の師は笑みてをり
はなぐもりしょうてんのしはえみており(花曇・花曇)

[32]:花曇り昼を灯してお城茶屋
はなぐもりひるをともしておしろちゃや(花曇・花曇り)

[33]:花曇轆轤仕事のはかどらず
はなぐもりろくろしごとのはかどらず(花曇・花曇)

[34]:春曙ムーサイ祀るムセイオン
はるあけぼのむーさいまつるむせいおん(春暁・春曙)

[35]:春はあけぼのベッドに四肢を引き延ばす
はるはあけぼのべっどにししをひきのばす(春暁・春あけぼの)

[36]:春は曙むらさき薄く靄かかり
はるはあけぼのむらさきうすくもやかかり(春暁・春は曙)



選句一覧 丹仙 - 2024/05/02(Thu) 16:39 No.2454  


実生

天の句:[8]暁闇の声明に和す春鴉
二階に寝ていると朝のカラスの語りがうるさいこと。

地の句:[25]診察券また一つ増え花曇
もらう時の気持ち、あああまた増えた。

人の句:[13]囀りは透明な鳥すがたなく
うぐいす、いまは谷渡りまで。成長している。

しゐ

天の句:[12]囀りの湧く一点や空青し
かげりのない景色が胸に広がります。

地の句:[2]うわ言に打つ相づちや花曇
「うわ言」にやや不穏な情景が想像され、ふと心配になります。

人の句:[22]春暁や寝覚めの少し早まりて
起き出して窓を開け放ちたい気持ちと、まだ寝ていたい気持ちがせめぎ合う時刻。

明子

天の句:[11]囀りの真ん中に居て孤独なる
賑やかな鳥声に囲まれて感じる孤独。でも寂しくは無いように思います。

地の句:[19]春暁の夫に繋がる糸電話
糸電話、に色々想像が膨らみます。もしかして時空を超えて繋がる電話かもしれませんね。

人の句:[35]春はあけぼのベッドに四肢を引き延ばす
あの大きく伸びをした気持ちよさ。春の朝ならば尚更です。

風子

天の句:[17]囀りを右に左に木曽路ゆく
気持ちが良い。木曽路といっても色々あるだろうが、夏木立の中を歩いてみたい。

地の句:[25]診察券また一つ増え花曇
全く、歳はとりたくないですね。

人の句:[8]暁闇の声明に和す春鴉
朝の勤行だろう。以前奈良に行った時体験した風景を思い出した。

白馬

天の句:[3]Xデー知らぬ予報士養花天
何となく笑えますね。

地の句:[7]語り騙りAIアプリ囀れり
中7・下5の発想が面白い。

人の句:[8]暁闇の声明に和す春鴉
中7・下5の発想が面白い。

素蘭

天の句:[8]暁闇の声明に和す春鴉
おほをそどりのころくころくと

地の句:[33]花曇轆轤仕事のはかどらず
遠近から届く花便り、座業は…

人の句:[11]囀りの真ん中に居て孤独なる
孤独に浸っているのか、京烏・江戸雀・楽屋鳶に閉口しているのか、、、

秋童子

天の句:[12]囀りの湧く一点や空青し
空高くから聴こえる雲雀の囀り。懐かしいですね。東京都内の我が家のあたりでは、ずいぶん前から鳴き声を聴かなくなりました。

地の句:[10]囀に囲まれゐたる美術館
それだけで、美術館も一つの作品のように。

人の句:[28]花曇メトロノームの不整脈
三つの言葉の組み合わせの妙に一票。

寿美子

天の句:[28]花曇メトロノームの不整脈
大丈夫、メトロノームなら取り替えられます烏は

地の句:[14 ]囀りや今朝は混声合唱団
烏はバスのパートでしょうか。

人の句:[21]春暁や静寂に坐す円覚寺
旅心誘われます

翔河川

天の句:[19]春暁の夫に繋がる糸電話
無きひとでしょうか

地の句:[08]暁闇の声明に和す春鴉
お寺の近くで

人の句:[11]囀りの真ん中に居て孤独なる
嫌ではない

ヨアヒム

天の句:[21]春暁や静寂に坐す円覚寺
「坐す」の表現が素晴らしい。

地の句:[15]囀りや弥勒菩薩の指の先
取り合わせが綺麗。

人の句:[10]囀に囲まれゐたる美術館
心が安らかに。

春愁

天の句:[25]診察券また一つ増え花曇
憂いことですね

地の句:[19]春暁の夫に繋がる糸電話
心はいつも繋がっています

人の句:[7]語り騙りAIアプリ囀れり
新しい作句に挑戦!!

丹仙

天の句:[19]春暁の夫に繋がる糸電話
老老介護でしょうか。目覚めの早くなった夫婦が、昔風の糸電話でやりとりする場面が目に浮かびました。枕元に連れ合いがいるのは心強い。

地の句:[8]暁闇の声明に和す春鴉
春の鴉を持ってきたところが俳諧味があって秀逸です。

人の句:[22]春暁や寝覚めの少し早まりて
これは実感しますね。



桃李3月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/03/18(Mon) 07:36 No.2449   HomePage
兼題T 踏青
兼題U 帰雁
兼題V 受難節

3月18日(月)投句開始
3月25日(月)投句締切 翌日選句開始
4月01日(月)選句締切 
4月02日(火)披講  
 
管理人の都合で、定例句会の開催時期が3日遅れになりましたことをお詫びします。

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
「返信ボタン」の左のホームのアイコンをクリックして下さい。 



選句をお願いします 丹仙 - 2024/03/26(Tue) 06:35 No.2450   HomePage

投句一覧

投句者:寿美子、素蘭、春愁、白馬、実生、しゐ、風子、翔河川、丹仙、明子、ヨアヒム、秋童子

[1]:青き踏む子らのスキップ「靴が鳴る」
あおきふむこらのスキップ「くつがなる」(踏青・青き踏む)

[2]:青き踏む二人のスニーカーお揃いで
あおきふむふたりのすにーかーおそろいで(踏青・あおきふむ)

[3]:赤ゲラが巣作り励む受難節
あかげらがすづくりはげむじゅなんせつ(受難節・[啄木鳥])

[4]:温まる地球の上に青き踏む
あたたまるちきゅうのうえにあおきふむ(踏青・青き踏む)

[5]:石ひとつ懐にある受難節
いしひとつふところにあるじゅなんせつ(受難節・受難節)

[6]:雁帰る羽音鳴き声幼き日
かりかえるはおとなきごえおさなきひ(帰雁・雁帰る)

[7]:雁帰るエデンの東へ機首あげて
かりかえるエデンのひがしへきしゅあげて(帰雁・雁帰る)

[8]:古草や枯れて新たな生命生む
かれくさやかれてあらたないのちうむ(枯草)

[9]:雁でさえ故郷ありてひとはなし
がんでさえふるさとありてひとはなし(帰雁・[ウクライナ])

[10]:帰心はや天空の棹雁ゆけり
きしんはやてんくうのさおかりゆけり(帰雁・雁ゆけり)

[11]:首伸ばし隊列崩さず雁帰る
くびのばしたいれつくづさずがんかえる(帰雁・)

[12]:再起懸け踏み出す人よ能登の春
さいきかけふみだすひとよのとのはる(春)

[13]:咲きそうで咲かぬ桜や受難節
さきそうでさかぬさくらやじゅなんせつ(受難節・春)

[14]:師の病重しと聞く日雁かへる
しのやまいおもしときくひかりかえる(帰雁・雁帰る)

[15]:受難節今にも消えそう小さな灯
じゅなんせついまにもきえそうちいさなひ(受難節・)

[16]:受難節主は雑巾となり給ふ
じゅなんせつしゅはぞうきんとなりたまふ(受難節・)

[17]:受難節夜の聖堂人の絶え
じゅなんせつよるのせいどうひとのたえ(受難節・受難節)

[18]:殉国の墓碑の古りたり雁帰る
じゅんこくのぼひのふりたりかりかえる(帰雁・雁帰る)

[19]:数式で解けぬことあり雁帰る
すうしきでとけぬことありかりかえる(帰雁・雁帰る)

[20]:聖痕をもて生れし息や受難節
せいこんをもてあれしこやじゅなんせつ(受難節・受難節)

[21]:草庵を尋ねし尼僧青き踏む
そうあんをたずねしにそうあおきふむ(踏青・)

[22]:踏青にけんけんぱする子供らは
とうせいにけんけんぱするこどもらは(踏青・)

[23]:踏青や淡き雲持つ富士を背に
とうせいやあわきくももつふじをせに(踏青・踏青)

[24]:踏青や親子揃ひのスニーカー
とうせいやおやこそろいのすにーかー(踏青・踏青殉国)

[25]:踏青や軋むタイヤの車椅子
とうせいやきしむらいやのくるまいsす(踏青・春)

[26]:踏青や山また山を分け入って
とうせいややままたやまをわけいって(踏青・)

[27]:踏青をひと鍬に鍬掘り起こし
とうせいをひとくわにくわほりおこし(踏青・[作付け前に])

[28]:響きあふフルートのデュオ受難節
ひびきあうフルートのデュじゅなんせつ(受難節・受難節)

[29]:病窓の帰雁の空の曇りがち
びょうそうのきがんのそらのくもりがち(帰雁・春)

[30]:ブランチは巣籠り卵青き踏む
ぶらんちはすごもりたまごあおきふむ(踏青・青き踏む)

[31]:砲声の届かぬ川面残る雁
ほうせいのとどかぬかわものこるかり(帰雁・残る雁)

[32]:もう誰も住まぬ故郷雁帰る
もうだれもすまぬふるさとかりかえる(帰雁・雁帰る)

[33]:リハビリの膝にもやさし青き踏む
りはびりのひざにもやさしあおきふむ(踏青・青き踏む)

[34]:ロザリオに願ふ平和や受難節
ろざりおにねがうへいわやじゅなんせつ(受難節・受難節)

[35]:わが庭も春ととのひて彼岸明く
わがにわもはるととのいてひがんあく(春)

[36]:ニコライの鐘が鳴る也帰る雁
ニコライのかねがなるなりかへるかり(帰雁・)



選句一覧 丹仙 - 2024/04/02(Tue) 20:27 No.2451   HomePage

春愁

天の句:[24]踏青や親子揃ひのスニーカー
家族仲良しのピクニック。

地の句:[10]帰心はや天空の棹雁ゆけり
帰心矢のごとく。竿になり、鉤になり。

人の句:[26]踏青や山また山を分け入って
元気で何より

しゐ

天の句:[5]石ひとつ懐にある受難節
私の懐にも。

地の句:[10]帰心はや天空の棹雁ゆけり
もう戻れない。

人の句:[7]雁帰るエデンの東へ機首あげて
帰雁とエデンの東との取り合わせに驚きました。

実生

天の句:[10]帰心はや天空の棹雁ゆけり
天空の棹、気品あり。

地の句:[8]古草や枯れて新たな生命生む
だから春は待ち遠しい。

人の句:[13]咲きそうで咲かぬ桜や受難節
今年は異常だ。でも蕾の時に大嵐、満開たのしみ。

素蘭

天の句:[23]踏青や淡き雲持つ富士を背に
「虚空に花降り音楽聞え」の心地かな。。。

地の句:[19]数式で解けぬことあり雁帰る
logical thinkingよりrational-emotive thinkingのほうがまだしも、、

人の句:[36]ニコライの鐘が鳴る也帰る雁
御茶ノ水は乗換駅でしたから懐かしい。聖橋に佇むことも界隈をほっつき歩くことも…

秋童子

天の句:[19]数式で解けぬことあり雁帰る
世の中、数式で解けないことがいっぱい。雁が帰る日も、あの桜の開花日も・・・。

地の句:[32]もう誰も住まぬ故郷雁帰る
雁を見送るフクシマの地を思い浮かべました。

人の句:[35]わが庭も春ととのひて彼岸明く
お彼岸が明け、ようやく花々も咲きそろってきたのでしょう。

白馬

天の句:[32]もう誰も住まぬ故郷雁帰る
地の句:[25]踏青や軋むタイヤの車椅子
人の句:[5]石ひとつ懐にある受難節
明子

天の句:[29]病窓の帰雁の空の曇りがち
病室の窓から見送る雁に思いを重ねて。無事に帰れるように、
そして自分も早く大空を飛べるように・・・

地の句:[18]殉国の墓碑の古りたり雁帰る
心だけは自由に故郷へ。

人の句:[14]師の病重しと聞く日雁かへる
帰る雁に心を託して。

翔河川

天の句:[06]雁帰る羽音鳴き声幼き日
変わらずに

地の句:[28]響きあふフルートのデュオ受難節
デュオと分かち合い

人の句:[35]わが庭も春ととのひて彼岸明く
春を見つけて

風子

天の句:[3]赤ゲラが巣作り励む受難節
なにも知らない考えない鳥たちは幸せです。人間は考えすぎて不幸になっている。

地の句:[24]踏青や親子揃ひのスニーカー
草の色に赤いスニーカーかしら。ビジュアルに想像できて楽しい一句。

人の句:[18]殉国の墓碑の古りたり雁帰る
国のために戦った戦士たちの墓も古くなった。遠い昔の話となった。

ヨアヒム

天の句:

地の句:[1]青き踏む子らのスキップ「靴が鳴る」
都会の子供に、もっと青鞜の機会を。

人の句:[16]受難節主は雑巾となり給ふ
「主は雑巾」の一言が気になる。

丹仙

天の句:[10]帰心はや天空の棹雁ゆけり
この格調の高さは良いですね。所謂『丈の高い』句です。

地の句:[17]受難節夜の聖堂人の絶え
聖木曜日、受難節の初めの深夜の聖堂の様子をよく描写してます。

人の句:[23]踏青や淡き雲持つ富士を背に
景の雄大さを頂戴しました。

[1] [2] [3] [4]
- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー

- Joyful Note -
- IP Spam Filter -