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風雅川柳第2曲

(超絶技法回文付き)幻想即興曲  はる/みお 両吟


フーガの技法1  フーガの技法3

第2曲は、同時に二つの旋律が遁走曲として演奏されます。
フーガの合間に回文川柳(左から読んでも右から読んでも同じになる文)
が入ります。この第2曲には、作者の解題が入っていますのであわせて
お読み下さい。

フーガの技法2(幻想即興曲)

水澄まし走る主は林泉涼み      (みお)   桜木は枝も身も絶え葉気楽さ    (はる)

(みずすましはしるあるじはしますずみ) (さくらきはえたもみもたえはきらくさ)

飲む間も向き合うまあヤダもうダメ(はる) 家具屋は悔しい香具師が支配して (はる)
もうだめ浮世の便り夢の夢       (みお)  悔しい山風鹿追う伊勢浦        (みお)

桜葉は見る瀧、垂水、幅、落差    (みお) 桜井飲みたし下見のいら草   (はる) 

(さくらははみるたきたるみははらくさ) (さくらいのみたししたみのいらくさ)

浮き世の傷は見よ春にのみ似て   (はる) 風真下に形見を瀬に置く    (はる) 

解題:
駆け落ちした恋人が渇きを癒やすため、 桜の花のふりかかる山の井の水を飲もうとし
ましたが、 棘草に阻まれどうしても飲めません。 命の水の飲めない二人は、どうせな
ら谷河の水をと遂に決意を固めました。 一陣の山風がさっと吹き、二人は形見を瀬に
置き歌を詠みました。うららかな春は、一面、こんなにも残酷な季節なのです。(はる)

きす食み吸物はも佳し身の白     (みお)  瀬に置く錦か熾き火す陸砂      (みお)

来漣瀬が歌う風みな笹子          (みお) 背の大君歌唄う右頬載せ        (はる)

(こささなみせかうたうかせみなささこ)     (せのおほきみうたうたうみきほおのせ)

歯も良し餅肌余は好く仕度を     (はる)  錦か褥は記念だ彼は誰         (はる)

解題:
その昔、大錦という相撲取が祝言を挙げました。明眸皓歯の奥様の膝で歌を唄うのが
なによりも楽しみだった背の大君に、時満ちてお世継ぎが生まれました。
その名も小錦と言います。かはたれ時に生まれたお子さまを抱き上げて大錦様が詠まれ
た歌です。(はる)

夜は空くバスなり、砂山、栗、松  (みお)  彼は誰蓮食んだ蓮こ蓮根         (みお) 

小魚酔った腹は立つよなカサゴ    (みお) みすみす彼を死なす薺萎れ霞澄み (はる) 

(こさかなよつたはらはたつよなかさこ) (みすみすかれをしなすなすなしをれかすみすみ)

蓮なり菫も汝泊まり揉まる         (はる)  タバスコは辛くスランプ克服    (はる)
菫も蜜柑も蓮華も桃もね          (みお) 克服苦も無く船酔ひくぐひよ     (みお)

憎めるは早止めよ君カナン人汝が身清めや世は春めくに  (みお) 

(にくめるははよやめよきみかなんじんなかみきよめやよははるめくに)

仲よきヨハネ目覚め火今暗く舞姫醒めねば佳き夜かな   (はる)

(なかよきよはねめさめひいまくらくまいひめさめねはよきよかな)

解題:
バプテスマのヨハネが、イエスの誕生を予言しつつカナンの人々を教化した言葉という
想定。(みお)そのヨハネの獄中の夜と舞姫サロメの関係を詠みました。(はる)