桃李歌壇 かず作品集
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外からの陽は斜めに深い光球をつくり 下からの揚力として花瓶の内部に充ち 絞り出された光は澄明にして安らかに 浮かぶ生のありかを 華やかせ
上の方では赤い花が遮ることに余念がなく 懸命な時を謳歌して わずかな永遠を盛んにするが その少し開けたところから かすかにこぼれることを知るものは
ひとひらの花弁と 淡い光 かぎりなく かぎりあるものたちの 滲む 翳